世界で一番私のロルフィング・セッションを受けてくれているKさんに対面で遠隔のセッションを受けて頂き,感想をレポートして頂きました。
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自分が感じた普段のロルフィングとの違いは、まず身体の内部をよ り簡単にしっかりと、それもセッション開始後すぐから感 じ取れることです。なのでリラックスしていくのも早いですが、そ れだけでなく、しっかり感じ取れることで体の中に充実感や安心感を感じることが増えました。また、 ちょっとしたことですが、変化には必要なものだとわかっていても 体の中に空間ができたとき、なにか空虚な感じがして不安に感じて しまうこともありました。それが体のどこかに充実感があることで 不安にならずにすんだ気がします。いつものセッションをより パワフルにした印象です。セッション中、部分的に体温が上がるこ とも増えました。そしてセッション後の良い状態、良い感覚が体の 中に残りやすいです。以下、セッション中の経過です。
仰向けで右手の平の下に機械を置いて三十秒もしない内に気のせい かと思うほどの微細で高速の振動を感じました。その後、鼻の奥が ムズムズしながら広がりました。右手の平で感じていた振動が手首 から順に肘、二の腕、肩の側面から前面へと伝わってきて、右腕の 内部がすべて振動で隙間なく満たされている感覚になったのですが 、その振動が肘近くまで来たあたりで、振動の中にたくさんの小さ な粒があることに気づきました。骨や筋肉などの区別なく腕の中い っぱいに満たされていく均一で本当に小さな粒自体が振動している 感覚と同時に筋肉自体の感覚も残っていました。骨は元々感じられ なかったので、振動の感覚だけでした。ところどころ少し熱 も感じました。皮膚も振動している感覚があったので右腕の輪郭が 明確になり、腕の形が自然と頭に浮かんでくると、安心感が増して よりリラックス出来ました。その粒子はそれぞれの位置から移動す ることなくその場で振動していて、振動の強さは場所によって違い ましたが振動の幅やリズムに違いは感じられませんでした。ですが、時間が経つにつれ、振動しながら微妙に1ミリ程度ずつその 位置を調整しあっているように感じられる部分もありました。
振動は痺れの感覚と近いのですが、痺れとは違い麻痺しているよう な鈍い感覚は全く無く、逆により敏感に高い解像度で感じられるようになりました。粒子の一つ一つが点描画の最 小単位の点ような役割をしてくれるので、振動している部分に関し ては強く集中したりする必要もなく、ただ振動を感じているだけで 簡単にしっかりと感じ取れました。(今思えば初めての体験に対し てのポジティブな緊張感と興味が自然と集中を高めていたので粒子を感じることが出来たと思いま す。ただ、振動自体は始めはともかく時間がたてば嫌でも気づいてしまうくら いの強さがあるので、やはりそれほど集中する必要もなく簡単に体 を感じられると思います。) そのように自分の体のパーツをしっかりと把握出来ているという実 感や、粒子が力強く振動している感覚が充実感や安心感につながっ ているような気がします。
ただ右腕に関してはいつものセッションのような筋肉などのねじれ や硬さが緩和されていくタイプの変化の感覚はなかったのでその時 はあまり変化した感じはしませんでした。ところがセッション後の 感想を書いている時、手首を返したりすると特に右腕の中の筋肉の どこがどう動いてねじれて伸ばされているのかハッキリとわかる ようになっていて、その伸ばされた筋肉が戻ろうとする力も強くな っていました。より注意を向けてみると筋肉自体が水分を取り戻し たように柔らかく少し膨らんで弾力も増しているのがわかりました 。こんなに力んでいたのかと思うほど右腕が深くリラックス出来る ようになっていました。今もその感覚は残っています。
それから、それが機械の効果かどうかはわかりませんが先生が確か 右の鎖骨に触れたとき、元々その辺りの感覚は鈍くこのセッション でもぎりぎりのところで振動が届かずにいたので身体イメージも全 くといっていいほど無かったのですが、これまでと違い接触点の皮 膚とその2ミリくらい下までの感覚だけでなく、接触点を中心に長 さ3センチくらいの範囲で鎖骨の形や太さ、その中身が鮮明に感じ 取れ、その映像が数秒間だけ、はっきりと頭に浮かびました。この 頃には軽い喘息の息苦しさも消えていました。
次に機械を腹部に移しましたが、ここでは振動や粒子のような感覚 はありませんでした。ただ胸や腹の内部が暖かくなり、また、 腹部と背中が物に触れているいるのでその間にある胴体内部を感じ 取りやすかったです。ここで、先生が腹部に近い肋骨に触れた時に、鎖骨の時のような感覚はありませんでしたが、そこを中心に天井方向に5ミリ程度引き上げら れたような変化があり、その辺りの胸郭に厚みが出て、新しく空間が できた感覚がありました。いつもならここで少し空虚さや不安 を感じていたかも知れません。それからしばらくして鈍感だった胸 の中心のあたりに、太い束状の筋肉が感じ取れるようになり、そこがかなり強い力で右肩の付け根に引っ張られまし た。その胸の筋肉の実感はすぐに消えて行きました。それからしば らくして特に胸椎の上半分くらいの周りの筋肉の力みが抜けて、ほんの少しずつ、1ミリにも満たない程度ですがそれぞれ の椎骨の間隔が広がったような感覚があり、少し遅れてピンと横に張った 紐がゆっくりと静かに緩んでいくように胸椎がベッドに委ねられて いき、より深く休めるようになりました。
終了後はまず、視界がクリアに物がくっきりと見えるようになり、 視野が広くなりました。側頭部の感覚がはっきりしました。胸郭内 部の胸骨柄のあたりに、すこしスペースができて、そこに息が入り 、胸に感じていた圧迫感が弱くなりました。胸と肩の境の強張りや 硬さも緩和して、胸を開く動きがやりやすく、胸椎自体やその周辺 の筋肉にその動作を邪魔されている感覚が減りました。 両肩前面と胸を通る筋肉の帯の感覚が胸を開いた時にわかるように なりました。肩、腕の重さが以前より軽く感じられます。腕の重さ が首にかかる量も少し減りました。左右を見回した時に急に首にか かる重さも、まだつらいですが、明らかに減っています。 みぞおちから股関節までのつながりもまた少しはっきりしました。
Rolfer’s note: タッチはほとんどせず,「イールドワーク」で用いる,間合いをとって見守る介在をしました。これまで彼に行ってきたロルフィングとの違いがあり,それが意味を持つ変化であることを知ることができました。
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