ロルフィング体験

Rolfing Experiences with Rolfer Hiroyoshi TAHATA

月別: 2017年12月

遠隔セッションの感想 – 2

ぼーっとしてしまうためレポートを書くのに時間がかかっていたKさんでしたが,十数行前に書いたことでもかなり思い出せるようになって、考えもまとまるようになったとのコメントと共に,先の体験のその後についてレポートしてくれました。

その後も変化が続いています。たぶん頭の血流量が増えました。セッションの翌日の夜には銭湯から濡れた髪のまま自転車に乗っていて、その次の夜には部屋より寒い台所に出ただけで、頭の筋肉がギューッと縮んで、こめかみの血管が波打つようにドクンと血が流れました。初めてのことでした。いつもそうなるので怖くなり帽子を被るようにしたらほぼ大丈夫になりました。そのときの縮んだ状態が遠隔の前とほぼ同じでした。手で触れるとかではなく普段の生活のなかで常に頭の筋肉が柔らかくなったのを実感しています。そして力んでいても意図的に力みを減らせます。それから徐々に記憶力がよくなった気がします。ありがとうございました。

 

遠隔セッションの感想

世界で一番私のロルフィング・セッションを受けてくれているKさんに対面で遠隔のセッションを受けて頂き,感想をレポートして頂きました。

自分が感じた普段のロルフィングとの違いは、まず身体の内部をより簡単にしっかりと、それもセッション開始後すぐから感じ取れることです。なのでリラックスしていくのも早いですが、それだけでなく、しっかり感じ取れることで体の中に充実感や安心感を感じることが増えました。また、ちょっとしたことですが、変化には必要なものだとわかっていても体の中に空間ができたとき、なにか空虚な感じがして不安に感じてしまうこともありました。それが体のどこかに充実感があることで不安にならずにすんだ気がします。いつものセッションをよりパワフルにした印象です。セッション中、部分的に体温が上がることも増えました。そしてセッション後の良い状態、良い感覚が体の中に残りやすいです。以下、セッション中の経過です。
仰向けで右手の平の下に機械を置いて三十秒もしない内に気のせいかと思うほどの微細で高速の振動を感じました。その後、鼻の奥がムズムズしながら広がりました。右手の平で感じていた振動が手首から順に肘、二の腕、肩の側面から前面へと伝わってきて、右腕の内部がすべて振動で隙間なく満たされている感覚になったのですが、その振動が肘近くまで来たあたりで、振動の中にたくさんの小さな粒があることに気づきました。骨や筋肉などの区別なく腕の中いっぱいに満たされていく均一で本当に小さな粒自体が振動している感覚と同時に筋肉自体の感覚も残っていました。骨は元々感じられなかったので、振動の感覚だけでした。ところどころ少し熱も感じました。皮膚も振動している感覚があったので右腕の輪郭が明確になり、腕の形が自然と頭に浮かんでくると、安心感が増してよりリラックス出来ました。その粒子はそれぞれの位置から移動することなくその場で振動していて、振動の強さは場所によって違いましたが振動の幅やリズムに違いは感じられませんでした。ですが、時間が経つにつれ、振動しながら微妙に1ミリ程度ずつその位置を調整しあっているように感じられる部分もありました。
振動は痺れの感覚と近いのですが、痺れとは違い麻痺しているような鈍い感覚は全く無く、逆により敏感に高い解像度で感じられるようになりました。粒子の一つ一つが点描画の最小単位の点ような役割をしてくれるので、振動している部分に関しては強く集中したりする必要もなく、ただ振動を感じているだけで簡単にしっかりと感じ取れました。(今思えば初めての体験に対してのポジティブな緊張感と興味が自然と集中を高めていたので粒子を感じることが出来たと思います。ただ、振動自体は始めはともかく時間がたてば嫌でも気づいてしまうくらいの強さがあるので、やはりそれほど集中する必要もなく簡単に体を感じられると思います。)そのように自分の体のパーツをしっかりと把握出来ているという実感や、粒子が力強く振動している感覚が充実感や安心感につながっているような気がします。
ただ右腕に関してはいつものセッションのような筋肉などのねじれや硬さが緩和されていくタイプの変化の感覚はなかったのでその時はあまり変化した感じはしませんでした。ところがセッション後の感想を書いている時、手首を返したりすると特に右腕の中の筋肉のどこがどう動いてねじれて伸ばされているのかハッキリとわかるようになっていて、その伸ばされた筋肉が戻ろうとする力も強くなっていました。より注意を向けてみると筋肉自体が水分を取り戻したように柔らかく少し膨らんで弾力も増しているのがわかりました。こんなに力んでいたのかと思うほど右腕が深くリラックス出来るようになっていました。今もその感覚は残っています。
それから、それが機械の効果かどうかはわかりませんが先生が確か右の鎖骨に触れたとき、元々その辺りの感覚は鈍くこのセッションでもぎりぎりのところで振動が届かずにいたので身体イメージも全くといっていいほど無かったのですが、これまでと違い接触点の皮膚とその2ミリくらい下までの感覚だけでなく、接触点を中心に長さ3センチくらいの範囲で鎖骨の形や太さ、その中身が鮮明に感じ取れ、その映像が数秒間だけ、はっきりと頭に浮かびました。この頃には軽い喘息の息苦しさも消えていました。
次に機械を腹部に移しましたが、ここでは振動や粒子のような感覚はありませんでした。ただ胸や腹の内部が暖かくなり、また、腹部と背中が物に触れているいるのでその間にある胴体内部を感じ取りやすかったです。ここで、先生が腹部に近い肋骨に触れた時に、鎖骨の時のような感覚はありませんでしたが、そこを中心に天井方向に5ミリ程度引き上げられたような変化があり、その辺りの胸郭に厚みが出て、新しく空間ができた感覚がありました。いつもならここで少し空虚さや不安を感じていたかも知れません。それからしばらくして鈍感だった胸の中心のあたりに、太い束状の筋肉が感じ取れるようになり、そこがかなり強い力で右肩の付け根に引っ張られました。その胸の筋肉の実感はすぐに消えて行きました。それからしばらくして特に胸椎の上半分くらいの周りの筋肉の力みが抜けて、ほんの少しずつ、1ミリにも満たない程度ですがそれぞれの椎骨の間隔が広がったような感覚があり、少し遅れてピンと横に張った紐がゆっくりと静かに緩んでいくように胸椎がベッドに委ねられていき、より深く休めるようになりました。
終了後はまず、視界がクリアに物がくっきりと見えるようになり、視野が広くなりました。側頭部の感覚がはっきりしました。胸郭内部の胸骨柄のあたりに、すこしスペースができて、そこに息が入り、胸に感じていた圧迫感が弱くなりました。胸と肩の境の強張りや硬さも緩和して、胸を開く動きがやりやすく、胸椎自体やその周辺の筋肉にその動作を邪魔されている感覚が減りました。両肩前面と胸を通る筋肉の帯の感覚が胸を開いた時にわかるようになりました。肩、腕の重さが以前より軽く感じられます。腕の重さが首にかかる量も少し減りました。左右を見回した時に急に首にかかる重さも、まだつらいですが、明らかに減っています。みぞおちから股関節までのつながりもまた少しはっきりしました。
Rolfer’s note:  タッチはほとんどせず,「イールドワーク」で用いる,間合いをとって見守る介在をしました。これまで彼に行ってきたロルフィングとの違いがあり,それが意味を持つ変化であることを知ることができました。

Powered by WordPress & Theme by Anders Norén