2021年12月に福島での支援活動の合間に、ロルファーの宮原伸宏さんに施術器具であるCS60を用いてワークする機会があったのですが、その後の経過とお気づきになったことをご報告頂きました。以下ご本人の転載許可を得て、レポートをご紹介します。

福島でケアを受けてから1ヶ月ほど経ちまして、不要かも知れませんが、体感のご報告です。

翌日の朝辺りから両膝の疼痛(絞扼感に近い)が出現しまして、最初はツラかったですが、3日程でほぼ消失しました。 ワークの時の(CS60による)叩打によるものなのか、体の使い方の癖やバランスの変化に伴ってのものなのかは判断がつきませんでしたが、膝の内顆周辺の認識は高まった印象ありました。「脚の内側にも膝ができた」といった感じでした。

右鎖骨周辺の固まり感が減り、骨とその周辺の軟部組織の感覚的な区分ができたと同時に、頸椎の認識も高まっているようです。頸椎の認識については、初めはブロックで動いているような感覚が違和感でしたが、徐々にこなれたと言うか、分離して落ち着き違和感は少なくなっています。これには2~3週かかったような気がします。 ワークを受けてからの反応を観て考えたのは、あの(CS60)器具の程好い重さが、身体に与える振動が歩行時に起こる不規則な身体の動揺に近く、骨や軟部組織の認識を高める効果があるのではないかと言うことでした。摩擦の少ない面で擦ることも、細かな振動を与えているように感じました。

上述のように捉えてから、クライアントとのセッションの際に、頸椎・胸椎周辺の問題にも焦点を絞った効果的なワークがしやすくなりました。 ダーツへの効果は、機会がなく確認しておりませんが、体幹背面の左側の認識は安定したように感じます。 右肘周辺の違和感は、時折、振り返しますが、これは、脊柱全体の緊張とも関連しているような印象です。 いずれにしても、気づきの機会を与えて頂き、ありがとうございました。

(CS60による)叩打するテクニックの効果については、1kgくらいの重錘ボール(柔らかいもの)でも再現できたので、やはり、あの重さがポイントなのかと考えています。ボールだと、その後の局所の痛みは生じないようです。10人ほどに試した結果です。 擦るテクニックについては、服の上から深部への刺激を入れる際に、ロルフィングの(肌に直接行う)ストロークと似たような効果が生じている可能性があるかなと考えました。 布地を挟むので、皮膚への刺激はストロークとは異なりますが…あと、手とは違い都度の変化がないので、同じ刺激を反復できるというメリットも有ろうと考えています。

CS60の最も特徴的だなと体感したものは、自分の身体のなかの骨の存在が意識化されることかなと思いました。 緊張の集まる箇所は、張りや重苦しさとして認識されるだけで、骨の存在は希薄になっているように再認識しました。

Rolfer’s note: ロルフィングなどのタッチでは扱わない骨や骨膜への働きかけには、CS60は有効である手応えがあったので、このレポートにある考察はそれを支持するものとして参考になります。

宮原さんは理学療法の講師もされている実力者で、、理学療法士として病院に勤務されており、ロルファーとして東北のいくつかの地域で活動されています。福島での支援活動では、毎回実技のためにマットを車で運んでご協力頂き大変お世話になりました。宮原さん情報