ロルフィング体験

Rolfing Experiences with Rolfer Hiroyoshi TAHATA

投稿者: rolfinger Page 22 of 35

臨床心理士のTさん

セッション1

田畑さんのセッションを受けた方から「とてもソフトなタッチ」と伺ってはいましたが、実際に体験してみると、思っていた以上に軽く、そしてピンポイントのタッチで「果たしてこれで何か変化が起こるのか?」と思うほどでした。

けれども、初回は脚の施術が主で、胴体には触れなかったのに、セッション前のチェックでは、呼吸をするときに胸のあたりしか動いていない感覚だったのが、お腹の方まで自然に動く感覚に変化していたことに驚きました。
またセッション後のチェックで歩いた時は、良い意味で身体の重みを感じました。セッション前よりも脚の存在感があり、身体が重力に沿っているような感覚でした。

セッションの最後に感じた、脚の存在感や身体が重力に沿っている感覚は家に帰る頃には感じられなくなってしまっていました・・・
その後、約2週間経ち、今のところ変化というのは特に感じておりません。(初回が終わっただけなので当然だと思います。)

セッション2

最初に田畑さんに、身体の両サイドに立って、どう感じるかを聞かれたましたが、左側に立たれている時に微かに警戒する感覚がありました。右側も警戒感は無くは無かったのですが、左右で違いがあり、普段はまったくその警戒感に気付いていなかったので興味深かったです。

右のふくらはぎに触れてくださっている間、なんだか不思議な安心感があり、とても心地良かったのが印象的でした。また今回も、右足に触れられているのに左足がピクっと動いたりして、それを興味深く感じていました。

途中で出てきた、足の親指から胸まで、ピーンと突っ張る感じは、左半身にたまに出て来るものなのですが(10年くらい前から)右にも出てきたのは恐らく初めてだと思います。
施術前は、歩く時に右足が、ペタッと足の裏全体で床に着く状態でしたが、施術後は、わずかにですが、踵を使いたいような感覚がありました。

セッション3

田畑さんが身体に触れている感覚が無いのに、身体がピクっと動いたりしていて、何をされているのかを伺ったら「見守っている」とおっしゃって、それに驚きました。
私はヒーリングのようなエネルギーワークも行うのですが、そこで、観測者効果ではないですが、最近そういったことを意識する場面があり、田畑さんの言葉を伺って、「見守る」ことの不思議な力を感じたような気がしました。

始まってしばらくして、股関節に、もどかしいような気持ちの悪い感覚が出てきました。これは7~8年前からボディワークの時や、普段も時々出て来る感覚です。
この感覚に対応してくださり、本当にありがとうございました。
あのように、ぎゅーっと足で押したい感覚が出てきたのは初めてで、驚きました。押す角度や、押し返して欲しい角度や力、押し出したいポイントなど、身体の注文は驚くほど細かくて、笑身体ってすごいなあと改めて思いました。
そして、その細かい注文に、的確に対応してくださったこと、本当に心から感謝の気持ちでいっぱいです。

特に右足に関しては、ううう・・と低く呻くような声と涙が出た時に、何かが抜けて行くような感じがありました。
そしてその後、田畑さんがただ足に触れていてくださった、その触れている場所から、微かですが、とても心地良い安心感が出て来ました。
そして最後に、足の指を休ませるということをしてくださった時、これも身体が本当にほっとする感覚で、そして、身体の様々な場所、股関節やふくらはぎ、腰や首の方までピクっと動く感じや、エネルギー的なセンセーションなども起こり、何かプロセスしていたのだと感じます。あの時間をゆっくりと取ってくださったことも、本当にありがたいことでした。
終わってから歩いてみた時に、初めて「土踏まず」を感じました。これまでは、偏平足ではないのに、土踏まずの感触を感じていなかったのだと分かり、驚きでした。
立っている時に、無意識に両足の小指側に体重をかけてしまう状態でしたが、それもだいぶ変化して、親指側、足の内側にも体重をかけられる感じがあります。

セッション4

今回は、これまでの3回でよく起きていた身体の色々なところがピクピクするという反応もほぼ起こらず、感覚的に何かを感じるということも特に無く、途中からは眠ってしまっていたのでしょうか、気付いたら「終わりました」と声を掛けられていたという状態でした。
終わってから歩いた時にも、あまり変化らしい変化には気付けなかったのですが、ほんの僅かですが、(足の調整だったのに何故か)腕の位置が違うような、胸が少し開いたようなそのような感覚でした。

セッション5

3回目の右足のような、左足の股関節の気持ち悪さ、疼きが出てきました。やはりぐーっと押し出したい感覚があり、それをサポートしていただきました。やはりエネルギーが少し抜けたような感じがあり、そして印象的だったのが、終了後にただ横になっている時に「お腹」の感覚を感じた、ということです。お腹の存在を感じた、という方が正しいかもしれません。そして歩いた時は、お腹を中心に左右の足が回転するように出るような感覚で、歩きやすさを感じました。(その後、その感覚は特に感じなくなりましたが(^^;))

セッション6

最初に左足の太ももに少し触れられた時に、それだけなのに、身体の中のピンと張った線(背中から胸にかけてと、腰の一部あたり)が少し緩むような感覚があり、そしてそれが、微かだけれども何ともほっとするような気持ち良いような感じで、本当に田畑さんは魔法使いみたいだなあと思いました。
そして徐々に、左の腰の奥の方にあるピンポイントのような痛みが薄っすら出て来て、それは施術が進むにつれて、どんどん強くなるというか主張してくる感じがあり、とても興味深かったです。

その腰の痛みは、お尻の方や胸の方まで繋がっているようで、少しずつお尻や胸の方にも奥の方の痛みのようなものが出てきました。
右手首も微かに痛みが出て、これは普段はあまり意識したことのない痛みでしたが、もしかすると中学時代の骨折が関係あるのかもしれないと思ったりしました。

その後、特に腰とお尻がどんどん痛くなり、その痛みは、普段そこまで意識したことがなかったのですが、こうしてその痛みが出て来てみると、「ああこの痛みは、結構いつも感じているかもな」と感じました。自分ではあまり気付いていなかった、でもとても馴染みのある痛みでした。
だいぶ痛い状態のまま「仰向けになってください」と言われて仰向けになったので、この痛みはどうなるのだろう…と少し不安でした(^^;)が、田畑さんが腰の下に手を置いて「内臓の重さを感じてみてください」とおっしゃてそのようにしてみると、不思議と、痛みがだいぶ和らぎました。
田畑さんのセッションは、謎と不思議と「???」がいっぱいです。笑

最後に歩いてみた時に、今まで歩く時に、左足にぐーっと乗る割合がすごく高くて、右足に乗る時間はすごく短かったのかも!と、そんな感覚になりました。今までまったくそんな自覚はありませんでした。

セッション7

今回も最初に田畑さんが色々な位置に立たれた時、
位置によって色々な反応が出るのがとても不思議で興味深かったです。
特に右の顔面に、上(頭頂の方)に引っ張られるような感覚と瞼の痙攣が起きたのが
一番大きな反応でした。

口の中の調整を受けるのは初めてでしたが、
軽く触れられるだけなのに、
力が緩むような、微かな何とも言えないような気持ち良さがあったのは、
とても不思議でした。

私は時々喉に、縦に棒のようなものが入ったようなというか、詰まるようなというか、
そういう感覚が出ることがあるのですが、
喉の調整?をしていただいた時に、左側は大きく反応が出て、
その詰まり感のエネルギーが少し緩んだような感じがありました。

セッション8

うつ伏せになって片足を曲げた状態になった時に、身体にかなりの緊張感が出たことに少し驚きました。実は身体は、本当に色々な反応をしているのだなと。
今回は右足のふくらはぎに触れられていた時の、癒着しているものが剥がされて行くような感覚がとても印象的でした。身体の中を、苦しさとも心地良さとも言えない、そして、そのどちらでもあるような感覚が動いて行きました。
ふくらはぎなんて、これまでまったく意識もしたことが無かったですが、そこから生まれる感覚が全身にも及んでいく・広がって行くことに、全身がこんなにも繋がっているのだと、改めて今回も驚きました。
そして田畑さんのセッションは、身体の本当に繊細な部分に働きかけるそういうものなのだなと、今回も深く感じました。

セッション9

今回の動きは、意識しながら行うのがちょっと難しかったですが、伸ばした時に身体の中で頭から脚までの線?が繋がるような不思議な気持ち良さがありました。最後に、身体は動かさずイメージだけで、という時も、実際に身体を動かした時と同じくらいの感覚があり、身体って、イメージだけでもこれほど反応するのだということが分かりました。(もちろん実際にその動きをした後だからだと思いますが。)
適切な意図に基づいた動き・・・しかもそれほど大きくはない動きでも、色々な反応が起こる。身体というのは本当に繊細なのだと感じました。

セッション10

10回目は調整ということでしたが、左半身の訴え?が大きく、その調整をしていただいた形でした。
左半身については、10年ほど前から左の胸と肩甲骨のあたりの内側に、疼きとも痛みとも言えない、何とも言えない気持ちの悪い感覚と、そこを中心に耳の後ろ、足の方までピンと突っ張るような感覚があり、それが何をやっても変わらないような状態でしたので、よっぽど何かが溜まっている?滞っている??状態なのかもしれません。
今回は、途中で出て来た、左足を内側に捩りたくなるような感覚に対して、左足の脛あたりを擦っていただいた時に、身体がほっとするような気持ちが良いような感覚があったのが印象的でした。

また前回のセッションの時の動き・・・身体の脇を下にして横になって、頭を少し上げて腕と足を伸ばす、その動きがとても気持ちが良くて、セッションの時と同じとは行きませんが(^^;)イメージに助けてもらって似たような動きを自分でもしてみています。やはり身体の中の何かが繋がるような感じがあり気持ちが良いです。

10回終えてみて、姿勢など大きくは変化していないかもしれませんが、自分では、足の土踏まずが少し使えるようになった感じがあり、また、土踏まずから、脚の内側、内転筋や股関節まで繋がる感覚が出て来ているのがとても興味深いです。
そして、ロルフィングを受け始めたタイミングで、肚を鍛えることに取り組み始めていました。この2~3ヵ月という短い時間で、少しずつ肚の感覚・・・落ち着きや静かな感じ、を感じることができ始めています。

ご家族のサポートの合間を縫って遠方から ~1回目

・セッション中感じたこと
横になり、呼吸に意識を向けると、最初は身体の右側と左側で違う感覚がしました。右側は、少し興奮しているような気がし、左側は停滞している、良くいえば落ち着いているような感じです。
セッションが終わった時は、両側とも自然に血液が流れているような感じで、呼吸がしやすくなりました。

身体の変化は、上腕の張りが軽減し、首の後ろが伸びた感覚がありました。
お腹(へその周辺)が固く緊張していたのも、少し楽になり、立つと肩で支えるのでなく、足でしっかり立てるようになった気がしました。

・セッション後について
当日は、身体が軽く感じ、肩や腕が柔らかく動く心地よさがありました。
セッションを受けた日は、寝つきがとても良かったです。2日目は、なんとなく頭が興奮して夜中に何か目を覚ますを繰り返し(セッション前は良くありました)、3日目からは、夜中目が覚めてたとしても、またすぐ寝れてセッション前より深く眠れる感じがしています。
首やお腹が張ってくる感じが時々戻ることがありますが、呼吸に意識を向けてゆっくり息をしたりすると、少しほぐれるような感じがしています。
頭の中で色々考えてしまうと首や背中が固くなってくるような気がするので、そうなりそうに感じたら、足首や肘、膝の裏をマッサージすると、身体が少し楽になります。(セッション中、触れてもらった時に呼吸がしやすくなった部分をほぐしている感じです)

エネルギーワーカーで、イールドも習得中のYさん〜1回目

〇セッション当日

「今どんな感じか」と聞かれて、うまく答えられないことが多かった。いろいろと感じはするけれど、どんどん過ぎていってしまうし、言葉への変換が出来ない感じだった。

セッションは、頭の上、真ん中辺りに立ってもらって、仰向けの体勢からスタートした。最初のタッチも頭からだったと思う。

顎にワークしてもらったことと、眉間からおでこにかけて、内側がぎゅーっとする感じがかなり長いこと続いていたこと。そのほかのことはあまり覚えていない。

後半、左の膝を立てた状態で、違う箇所を触れられていると、そのたびに左脚が開いていった。ベッドから起き上がって座った状態のとき、仙骨を立ててとか、骨盤をまっすぐにしてみたいなことを田畑さんから言われたが、どう動かせばよいのかさっぱり分からず、次回やりましょうということになった。

最後、歩いてみたら、右膝が尖っていて左膝がぺったんこな感じだった。

セッション前に書いておく質問表にあった「後に残るような苦痛/衝撃」に、歯科治療での痛い経験を一応書いてみたが、それも20年ほど前のこと。数年前、同じ辺りを治療された際に顎が勝手にガクガクし始めたことで思い出したのだった。

頭ではすっかり忘れていたことにからだが反応していることに驚いたので、一応質問表に書いてみたが、普段は全く意識に上らないこと。

それが、セッションでは思いの外このことにフォーカスされたことが驚きだった。

夜には、右足の大転子の辺りや右顎やみぞおちの右側など、右半身に多く痛みを感じる。左半身の方に多くワークしてもらったのに、右側の方が反応しているようなのがおもしろい。

また、顎の辺りの力みは軽減している気がした。

これに関連してか、口を半開きにして顎を意識的に緩めると、寒くて震えた時のように歯がカチカチなっていたのが、夜にそれをしてみたら、ならなくなっていた。最近はこれを試していなかったので、セッション前に既にならなくなっていたのかは分からない。

〇翌日以降

翌日も、やはり右の大転子の辺りや右膝などが痛む。昨日のセッション直後とは逆に、左膝が尖っていて、右膝がぺったんこな感覚。また、両方のふくらはぎが筋肉痛のような感じ。首もかなり痛む。

 時々、喉から食道にかけてか、スースーとした清涼感がある。

4日目くらいから首の辺りがかなり楽になってきたのと、この頃から地面のちょっとした出っ張りにつまづきそうになることが数日続いた。私は、左右の脚の長さが時々違うようなのだけど、短くなるのは今まで決まって右足。そして、この数日つまづいていたのは右足ばかり。

9日目辺りから腰がかなり痛い。からだに負担をかける姿勢を長い時間続けてしまったりしているから当然かと思う。また、お腹がキリキリするような感覚がある。小さな頃から、緊張するとガスが出なくてこの痛みを覚えることがよくあった。ひどい時はからだを九の字にしていた。ここ最近はこの痛みを感じることがなかったし、この日はほぼ家に居たので緊張するようなことも何もなかったのに不思議。

10日目、顎の重さを初めて感じたような気がした。今までは、意識的に顎から力を抜こうとしていた気がするが、顎の重さを感じてそれに抵抗しなければ勝手に力は抜けてくれることを体感した。前日くらいから、唇から顎にかけて時々スースーしている。

〇レポートを書かなくては!と思っているので、セッション後から意識してからだに気づくようにしていると、痛みなども、ずっと同じところに同じ程度感じているわけではなく、場所はどんどん変わっていくし、痛くなくなったり、痛さを増したり、常に変わっていくことがよくわかる。そうすると、いちいち感情が入らずに見ていられるし、悲観的にもならないので楽。今まではからだの反応に結構振り回されていたことがよくわかる。

2月下旬から、住む場所も変わり、仕事に関しても自分で何もかも決めていかなければならなくて、忙しい上に不慣れなことや苦手なことばかりしているが、日々意識してからだに気づくことをしていることが精神衛生上とても助けになっているようだ。

遠隔セッションの感想

北陸地方の方で、遠隔セッションのご希望を頂き、45分枠でzoom接続してワークさせて頂きました。

以下、ご本人の許可を頂き、転載します。

身体の感覚をお伝えするのが難しく思いましたが、普段気にしていない(無いことにしている)微妙な感覚を、身体の反応だと認識できたのは目から鱗、というかとても新鮮な発見でした。
あれから何となくですが、足の裏がしっかり地面につく感じがしています。以前は小指側に重心が逃げてしまう感じだったのですが、今は真ん中に力がかかっています。
真ん中に力がある事で、物事を決めたり、行動に移す事が軽やかになっていると思います。

ロルフィングの遠隔セッション、どんな事をするのか想像もつかないままでしたが、受ける事が出来て良かったです。おかげで滑らかに季節を移動できそうです。

遠隔セッションの威力

ご予約頂いた方から連絡が入りました。

「昨日の夜から、急に左の肩の後ろあたりが痛くなってしまい様子をみていましたが、痛みがおさまらず、今朝起きたら、動かせる状態になくなってしまっていて、大変申し訳ございませんが、本日のセッションをキャンセルさせていただきたく思います。昨日は、明け方、左足側面が久しぶりにひどくつってしまったり、先週は、急に左耳が詰まったようになって、聞こえが悪く、ステロイドのお世話になってしまったり、と、左側に変化が多くおこっているようです。急なキャンセルで大変申し訳ございません、どうぞよろしくお願いいたします。」

ということで、急遽、遠隔でのセッションを提案し、45分のZoom経由でのセッションをさせて頂きました。

セッションで行ったこと:Zoom接続後、ご本人の部屋の中で居心地良く感じる場所に横たわってもらい、さらに落ち着く位置をこちらから、より収まりのよさそうな位置を提案して、本人の感覚を頼りに見つけてもらう。その位置で、変化をトラッキングしながら、プラクティショナー側はひたすら見守るという内容。

翌日に頂いた感想は、

「昨日は大変ありがとうございました。

おかげさまで、あんなに痛かったのに、現時点で痛みはほとんどなくなりました!

左側の腕の収まりどころがだいぶ変わったように思えます。

そのため、ちょっと違和感があったり、ゴキゴキする感じがありますが、

それがどうなっていくのか、見守っていきたいと思います。」

シンプルなワークですが、かなり威力があることを再認識しました。

遠隔セッションの感想Sさん

10分の空間身体学的遠隔セッションの感想が届きました。この方は3回シリーズで申し込まれていますが、その一回目です。

私の感想がどなたかの参考になるなら嬉しいです。今のこの時期に、ぜひ多くの方に体験していただきたいなと感じています。

以下、ご本人の許可を得て転載します。

久しぶりに自分であることの快適さに戻ってこれたように感じています。
そこからどんな風にどれだけずれていたのか、ということへの気づきがありました。

この1年、外の世界の興奮や憂いのようなものへ自分の体表が過敏に反応していて、そこから身体を引くような、縮めるような位置を取っていたことに、自分の身体に戻ってこれたことで気がつきました。
そこへ気づけたことで、どんな対応がとれるのか自分で調整する選択肢が増えたことが嬉しいです。

またスペースに対する親和性にも変化があり、空間の中でスムーズに動きやすくなりました。
自分自身へ戻ってこれたことと、この空間への関係性に変化があったことによるものなのか、翌日以降、自分の外の世界が以前よりも少し穏やかなものに感じています。

そして久しぶりに活力と自分自身への信頼を感じることができて、ほっとしています。

最初、始まっていなかったのに気づかず、身体で始まっていた下肢の縦方向の伸びや体幹のうねりのような反応に身をまかせていたのですが、少しして田畑さんがこれから始めますと言われてからの身体の反応が明らかに違ってきたことがとても興味深かったです。

始まってから下肢、背面の支えがどんどん充実していき、接地面への充実をここまで感じたのは初めてでした。

振り返ってみると、混沌した世界のうねりの中でそれに応じて、なんとか自己調整していたところに、セッションが始まって、急に空間がサポートフルになったような印象がありました。

この短い時間の中でセッティングされた自己回復への流れは今も続いていて、対面とはまた違う遠隔の可能性を感じています。

ドイツで活動されている舞踏家 10/10

第10回目    

今回のシリーズ中最後のセッション。

会場に向かって歩く時にくるぶしがまだ痛む。しかし右足は楽になってきた。関節を通して呼吸できるように感じる。

上半身、特に首が軽い。

今回はまず仰向けに横たわり、感じ方をチェックする。施術者の立ち位置が決まると、

背中と施術台の間に、上腕部から脚のほうまで順に隙間を作っていく。シーツを使って身体を少し持ち上げたり、背中に手が差し入れられたりする度に、川の流れのようなざわざわした感触が、背中全体から足先に向けて少しづつ流れるのを感じる。

後頭部を使ってバランスを取ったり、左肩を縮めながら眠る癖がわかるようになった。

終了後、座ってみると、下腹部から腿の裏側にかけてとても重い。

手首や肘の関節、前腕部の筋肉が柔らかくなった。

後頭部や頭頂部を意識して歩いてみる。足が痛くなければ、上下動少なく歩くことができている瞬間がある。

肩から後頭部にかけての空間や、頭頂部を延長したところにも意識を向ける。

頭頂部を意識する際に、部屋の天井を限界だと考えるのではなく、その上を捉えると姿勢と重点が変わる。

最後は質疑応答の時間。

Q: 手で加える圧は本当に僅かだけれども、体はその状態を習得して覚えるのか?

A: 一度体験した状態を、今は情報として使わなくても、後で取っておいて、必要な時に必要なだけ使うこともある。

Q: 身体が覚えたり学習したりするにはそれで十分ということなのか?

A: ロルフィングの中にはLess is more という考え方がある。過度の干渉は反発を生むこともあり、良い結果になるとは限らない。

Q: エクササイズするなら何がいいか?

A: パフォーマンスの中の動きをゆっくりやってみるのが良いのではないか。ゆっくり動いて、体に無理がかかりそうなところで止めてみるといい。後は紐トレ。作業する時や、楽器の練習をする時は丸紐を使ってたすき掛けが良い。

最後に。

身体の色々な箇所で新しい感覚を発見することができた。

足指を全部使って歩ける、下腹がまっすぐ前に出る、ふくらはぎが親指と連動している、など。

歩く時など、視覚が空間の全体を捉えている時は、読書時などとは違った働き方をしている。外出自粛令が続いて、デジタル機器に向かう時間が増えるにつれ、視野が狭まっていたのかもしれない。

また、足が弱っていたことにショックを受けた。以前足を挫いて痛めた時の癖なのか、座る時間が長いためもあるのか。また、全く意識していなかったが、以前の足の怪我を庇うような歩き方が長年定着していたということにも気がついた。

自転車だけでは骨に対する刺激が不足する、歩いて骨に衝撃を与えることによって骨の代謝を促す、と田畑さんのコメント。

最も大きな気づきは、これまで自分が、身体が上げる声、時には悲鳴であるような身体の訴えを無視してきたいうことだ。

あえて不快な感覚や苦痛に目をつぶり、忍耐の限界まで自分の肉体を痛めつけて、身体の悲鳴に耳を傾けることをしなかった。

若い頃は、あり余るエネルギーに振り回されないために楽器の練習に没頭した。楽器に依存した、と言い換えることもできる。

そのほかにも、何か集中的に技能を習得する必要があった場合は、自分の身体を矯めることで技術を身に着けようとした。そうしていつしか、身体を酷使して疲れさせることそれ自体を、練習の目的にすり替えることすらあった。

長くなるのでここでは触れないが、当然の帰結として、故障もいくつか経験した。

身体が知っているのに意識が気付いていないことは実はとても多いのだろう。

今回セッションを受けることにしたのは、改めて振り返ると、更年期を迎えて心身のあり方を見直す必要が出てきたためだった。

ロルフィングのアプローチによるならば、力まずにバランスを取れるような心身のあり方を毎瞬発見しつつ、その時その場所での最適な状態を目指すということだろうか。

直接の物理的な刺激が加えられることなく、立ち位置や僅かな接触だけで身体のあり方が変わる。触られている時も触られていない時も、人と人の間にエネルギーが流れ、空間と身体を介してコミュニケーションが成立している。

先の見えない時代をどう生きるか、現代人の私は毎瞬選択していかなければならないが、自分の身体感覚と無意識のはたらきを信頼し、自分と周囲の環境との位置関係を感知することを自分の心身に積極的に許すならば、体感を大きな手がかりとしながら、この乱世を生き延びることができるかもしれない。

非常に身近なところの例を挙げるなら、ラップトップとの角度と距離感、脱力できる寝床作り、同じ姿勢を続けて疲れたら休むこと。もちろんそれだけではなく、無理がかかっている感覚、ニュートラルな状態、積極的にやりたい欲求にそれぞれ意識を向けること。

耳を傾ければ、身体は実は饒舌に語ってくれているように思われる。

一般的に、他のボディワークでは施術者が指導する立場に立って見立てや指導を述べられることがしばしばだ。

田畑さんの一歩引いた介入し過ぎない態度はそれとは異なり、面と向かって評価されたり価値判断されるということがなく、施術を受ける側の感覚や主体性に対する尊重が感じられた。

ありがとうございました。

ドイツで活動されている舞踏家 9/10

第9回目

起床して歩いてみると、痛めていた足が右だけ、痛みが減っている。親指とアキレス腱が連動しているのを意識できた時は痛みがない。左足でも同じ感覚をつかめないか試すが、なかなか実現する瞬間がない。

立った時に腸骨の辺りがしっかりしたのがわかる。建物の土台のように感じる。この感覚は生まれて持つものだ。

今日の施術は右半身を下にしてスタート。右肩から右腕にかけてを右半身の裏から肩甲骨側に、左腕はクッションを支えにして体の前方に、寝たまましばらく伸ばして、休める。同時に頭頂部を引っ張るイメージを持つ。腕を匍匐前進のように動かすと、胸の中心が体軸として感じられて面白い。丹田から肛門のラインを意識しながら、脚を蹴り下げる。同時に両腕も動かす。体の中というより、前面の少し前に、一本ラインが通ったようだ。

右半身の次は左半身への施術。後頭部から首の後ろの空間を感じることと、頸椎一つ一つの間に空気を入れていくイメージを持つように指示される。頭を支えられ、頭頂部から目の裏側の空間を真っ直ぐに感じていく。

すると頭の左、鉢が開いた辺りと頭頂の中間点辺りが痛む。

普段、首の後ろの頸椎3番あたりに気穴のような場所があって、そこで呼吸したり何かを入れたり出したりできる感覚がある。田畑さんが側に立つ時、その部分から身体が貪欲にエネルギーを吸収したがっていることがある。頭が痛い時はその穴が閉じるようで、嫌な記憶が思い出されたりする。

頭から施術者の手が離れると、上にしている右半身がエネルギーを感じる。

左手の平と前腕をほぐす。これまでのセッション中、一番強い手圧がかかっている。

バランスボールに板を載せたものに乗って、重心の位置を確かめる。

最初は前寄りの重心になりやすく、足指でつかめているけれども、かかと には重力が全く乗っていなかった。次はその逆で、かかとだけに重心が乗っている。

両目の間と頭頂が交差するポイントを意識すると、みぞおちの上や丹田も感じられ、一本線が通るのがわかる。

最後に歩くと、時々ではあるけれども、体が自然に前に出る瞬間がある。一体どこのポイントなのだろうか?

最後に田畑さんに色々質問し、考察する。

指の腱鞘炎とバネ指について。

楽器や道具を持つ時の「握る」という動作と「掴む」という動作は異なる、ということを伺う。小指から中指側を使った場合は体側面に繋がる動きとなる。

歩くという行為の必要性について。

筋トレだと全身運動にはなりづらい。散歩などで実際に歩き、骨に衝撃を与えた方が、骨の代謝を活発化させるそうだ。

ドイツで活動されている舞踏家 8/10

第8回目

起きると腰が痛い。

歩くとまだくるぶしが痛む。どこを踏めば良いのか分からず、まるでロボットのような動きだ。普段の三倍ほどのスピードでしか歩けず、走れもしない。その分移動時間を長く見積もっておかないと時間に間に合わない。

バランスが変わったためだとは思うが、治るかどうか不安にもなる。

セッション前に歩いて状態をチェックする。やはり歩き方がぎこちない。

今日はうつ伏せからスタート。いつものように田畑さんが体の横に立ち、スタート地点を決める。

やはり左側がざらざらする。右足先は温かく、その他の右側には感じない地点もある。

最初は全く体には触れられず、何をされているのか分からない。しばらくしてから左上腕に触れられる。芋虫が体表を這う時の重みや感触を思い出す(蝶や蛾の幼虫は嫌いではなく、子供の頃はよく体表に這わせて遊んでいた)。

前夜はよく眠ったはずが、徐々に半覚醒状態に入ってしまい、そこから先は覚えていない。

最後は様々な角度からかかとに触れられる。

起き上がって座ると、腰が重い。呼吸がこれまでとは違った形で楽になっている。色々なところを使いながら体全体で吸えている。

最後に歩き方のチェックをしながら、短いレクチャーを受ける。

右足と左足をそれぞれ、平行した一直線の上に載るように出して、下腹部は前に向けて平行移動させる。

みぞおちの上・頭も前に平行移動させるイメージを持つ。確かにみぞおちの上を意識して歩いたことはなかったように思う。

一瞬、右足アキレス腱の一番上の筋肉と親指が繋がり、親指で踏み締めて筋肉が伸びる時に痛みが消える。続けて歩くとやはり痛みは続いているが、このポイントにヒントがあるようだ。しかし左足は親指が萎縮しているのか、なかなか繋がるポイントがつかめない。

写真を見るとみぞおちの辺りが伸びていて、新しくスペースが生まれているのがわかる。

帰り際にもう一度、田畑さんから歩き方についてのアドヴァイスを受ける。

歩けなくなった原因の一つとして、靴が考えられるのではないか。

某メーカーの靴を長年愛用していたのだが、近年ソールが以前ほど衝撃を吸収しなくなったような気がする。通販を利用したらフィット感が小さめの製品が届き、サイズが自分に合ってくることを期待して返品交換せずにいたら、なんとか痛まずに履けるようになるまで半年かかった。痛みを我慢して履いていた間も、足だけでなく体全体に負担をかけていたのだった。

小さな不具合を放置すると大きな歪みにつながるということだろう。そういえば、ヒールのある靴を日常的には履けないのも足が痛むからだった。最小限に留めているつもりでも、やはり良くないのだろう。

身体へのいたわりを欠いていたことを反省する。当面はインソールを入手して解決しようと思う。

ドイツで活動されている舞踏家 7/10

第7回目

前回のセッション以来、机に座ってラップトップに向かう時間が長く、首を突き出す姿勢になってしまっていた。その度に姿勢を直すのだが、それよりも机をスタンディングデスクにするとか、根本的に変えた方が良いのだろう。

セッションに向かう途中、かかととくるぶしが痛い。折角足の指が開き、指の付け根を使って踏み締められるようになったのに、思い切り歩けず残念だ。

すっかり忘れていたが、小学校6年生の時に左足を捻挫して数ヶ月間後遺症が残ったことがあった。4年前にも右足首を捻挫している。今回のこの痛みは古傷と関係あるのだろうか?

今回は移動中に座ったまま眠ったりして、少々首に負担がかかって痛む。慣れっこになってしまっているのだが、考えてみればそれ自体が無茶な習慣だ。

セッション開始。左側と右側に施術者が立ち、スタート位置を決める。左側はざらざらした感触で、右側は温かい液体が流れるように感じる。触れられていないが、脚がガクッと動くポイントがある。

最初は脚や腕に触れられる。施術者の左右の手で二つの点に触れられているのに、第三のポイントにも触れられているように感じる。第三のポイントは冷たく感じる。

本日の目標は頭部の調整ということで、頬、左右の鼻の穴の中、左右の上顎、下顎に触れられていく。

まず鼻の脇から頬骨にかけて触られる。指先が非常に繊細で柔らかい感触なのに驚く。

次は鼻の穴の奥に施術者の指が入り、喉への空間を意識しながら骨の重さを感じるよう指示される。上下左右の歯茎も同様に、骨の重みを感じながら喉への空間を意識する。

最後に施術台に腰掛けて、消化器官が一本の管になるよう意識する。食道から胃、胃から十二指腸、小腸、大腸、肛門と、背骨の前で位置を意識する。

鼻から吸った息が喉の奥に当たる。これも喉から気管支・肺に空気が行き渡るのを意識する。

背骨・気道・消化器官の位置関係を意識しながら呼吸する。飲食時以外に消化器そのものを一つの管として意識すること自体が初めてのことだ。体内に意識を向けながら静かに呼吸する。情報量が多くて集中が途切れてくる。

すると、前々回に続いてイタコの口寄せのような現象が起き、口先が激しく不随意運動を始めた。声は乗せずにしばらく動くままに任せていると、何かの塊が口から出て行った。この塊と自分との間には双方向にエネルギーの交換が起き、不要なものを見送った、という実感があった。それ一回では出切っていない感触があり、再び不随意運動が起きる。今回も何かの塊が口から出たが、初回のようなエネルギーの交換があったという実感はない。

この件を田畑さんに申告する。「残りの3回で出るといいですね。でも出た方がいいのかどうか。」と田畑さん。

その塊自体が何なのか、分かる場合もあれば分からない場合もあるので、力まずになるがままに任せておこうと思う。

足は痛むけれど歩いて帰路に着く。交通量の多い道路脇で歌うと音域が伸びている。実践では使えない声質だが、高音はBb7、C7、D7まで一瞬出ることがある。また、一つの子音から別の子音へと口の形を変化させる時、一つ一つをスムーズに繋げられるようになっている。

吸った空気を目の涙腺のあたりからも出せるように感じる。

帰って鏡を見ると鼻筋が真っ直ぐになっている。

田畑さんの指先の感触を自分で再現しようと思い、色々試してみる。

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