第6回目

起きると上半身の左半分から頭頂部にかけての部分がとても軽い。

このところ数年ほど、以前ほど深く眠れない一方、眠いとか眠いから寝るという感覚も薄れつつあったのが、前夜は久し振りに熟睡できたのが分かる。学生時代に授業中居眠りしてすっきり目覚めた時の感覚だ。大音量のライブで爆睡して、とても気持ちよく起きられた時の感覚にも似ている。

肘を内と外側に回せるようになっている。肘の内側の筋肉が常に固かったのが、触るとふにゃっと柔らかい。

バネ指状態の右手中指が朝には珍しく曲げられるようになっている。

左足のくるぶしも痛くなり、これで両足ともくるぶしを痛めたことになった。普段の二倍のスピードでゆっくり歩く。

前日、左足指の指の間が開く感覚があった。右側のくるぶしは痛く負担だったが、地面を足裏全体で踏み締めるのが面白く、街中を延々と歩いてしまった。荷重のバランスが変わって普段とは違う場所に体重がかかったために、筋肉痛になったのだろうか。

背中と腰の間のスペースに角度がついたのが分かる。加齢と共に肉もついて平坦になってきた場所だが、このままの形で固めてしまうのは避けたいと思っていたところ。

第6回目のセッションは、左右それぞれの脚を重心にして体重をかけて腰を捻り、左右の違いを観察するところから始まった。

右を軸足にした時の方が重心をかけにくい。左右に重心を移す時、真ん中のあたりで頭が上に伸びるポイントが来る。

まず診療台でうつ伏せになり、スタートの位置を決める。施術者が左脚・右足先・右体側・右頭上部と位置を変えて立つ。

左側はピリピリしする。右足先はマイルドに温かく流れる感じ、右体側面は圧を感じて熱さが痛みに変わる寸前のような感じ。右頭上部に田畑さんが立つと、しばらくずっとそこにいて欲しい程に気持ちがいい。

右側からスタートする。

うつ伏せの姿勢で、身体の重みを感じることに意識を向ける。

足先の小指・薬指・中指が離れ、暖かくなってくる。次第に足指先が最初は左側、次に右側もあわせてピクピク動き、止まらなくなる。しばらくピクピク動くに任せておく。

うつ伏せになったまま、頭の両側から空間をキープしたまま手で挟まれているらしい。

実際には触られていないのだが、右の盆の窪と頸椎3番あたりに、爪楊枝の先で突かれているような刺激を感じる。

顔の筋肉が不随意運動を始める。まず目が思い切り閉じる。次に口がむにゃむにゃと動き始める。イタコの口寄せのような現象で、時々こうしたことは起こるのだけれども、声を乗せなければ自分が何を口走っているのか、内容は分からない。 

足先の運動が止まり、熱くなる。足から先の感覚がなくなり、半覚醒状態に入る。

最後に膝を立てて左右に倒してみる。施術台に座ると、みぞおち裏の右側に力がかかっているのが分かる。

腕をだらりと下げた状態で脚を前に出して踏み締め、腰の角度を変えて、立つ時に再び重心を左右に移して感覚を確かめる。

重心が左右交互に移る時、頭が伸びるポイントがある。

写真を見ると上方向にのびている。

帰宅中、無性にカレーが食べたくなる。食欲を感じるのは久しぶりのことだった。

眠い。何かを発散した後の眠気で、眠気自体が気持ち良い。