第8回目

起きると腰が痛い。

歩くとまだくるぶしが痛む。どこを踏めば良いのか分からず、まるでロボットのような動きだ。普段の三倍ほどのスピードでしか歩けず、走れもしない。その分移動時間を長く見積もっておかないと時間に間に合わない。

バランスが変わったためだとは思うが、治るかどうか不安にもなる。

セッション前に歩いて状態をチェックする。やはり歩き方がぎこちない。

今日はうつ伏せからスタート。いつものように田畑さんが体の横に立ち、スタート地点を決める。

やはり左側がざらざらする。右足先は温かく、その他の右側には感じない地点もある。

最初は全く体には触れられず、何をされているのか分からない。しばらくしてから左上腕に触れられる。芋虫が体表を這う時の重みや感触を思い出す(蝶や蛾の幼虫は嫌いではなく、子供の頃はよく体表に這わせて遊んでいた)。

前夜はよく眠ったはずが、徐々に半覚醒状態に入ってしまい、そこから先は覚えていない。

最後は様々な角度からかかとに触れられる。

起き上がって座ると、腰が重い。呼吸がこれまでとは違った形で楽になっている。色々なところを使いながら体全体で吸えている。

最後に歩き方のチェックをしながら、短いレクチャーを受ける。

右足と左足をそれぞれ、平行した一直線の上に載るように出して、下腹部は前に向けて平行移動させる。

みぞおちの上・頭も前に平行移動させるイメージを持つ。確かにみぞおちの上を意識して歩いたことはなかったように思う。

一瞬、右足アキレス腱の一番上の筋肉と親指が繋がり、親指で踏み締めて筋肉が伸びる時に痛みが消える。続けて歩くとやはり痛みは続いているが、このポイントにヒントがあるようだ。しかし左足は親指が萎縮しているのか、なかなか繋がるポイントがつかめない。

写真を見るとみぞおちの辺りが伸びていて、新しくスペースが生まれているのがわかる。

帰り際にもう一度、田畑さんから歩き方についてのアドヴァイスを受ける。

歩けなくなった原因の一つとして、靴が考えられるのではないか。

某メーカーの靴を長年愛用していたのだが、近年ソールが以前ほど衝撃を吸収しなくなったような気がする。通販を利用したらフィット感が小さめの製品が届き、サイズが自分に合ってくることを期待して返品交換せずにいたら、なんとか痛まずに履けるようになるまで半年かかった。痛みを我慢して履いていた間も、足だけでなく体全体に負担をかけていたのだった。

小さな不具合を放置すると大きな歪みにつながるということだろう。そういえば、ヒールのある靴を日常的には履けないのも足が痛むからだった。最小限に留めているつもりでも、やはり良くないのだろう。

身体へのいたわりを欠いていたことを反省する。当面はインソールを入手して解決しようと思う。