2021年を迎えて

喪中により㊗️言葉抜きで、今年もどうぞよろしくお願いします。

昨年の串崎ロルファープロデュースによる2つのワークショップ、4つのRolf Movement®認定ワークショップなどを通じて、空間身体学的アプローチもかなり練られてきました。ワークショップに参加された方の中から、Yielding embodiment® として技法を提供する方々も増えてきて、伝えた側としてはうれしい限りです。しかも、こちらが教えた通りではなく、自身の解釈で探究しながらワークを進化させている点がすばらしい。昨年は、Yielding embodiment®3シリーズの提供ができるまでのコースを提供したので、さらにコアにも働きかける8シリーズまでの内容を紹介したいと考えています。そうすると、例えば、出産後骨盤のバランスを崩したケースや、手術等の傷痕が悪影響与えているケースなど、もう少し具体的に、受け手を手助けできる幅が広がります。

施術者 の育成は簡単なことではありません。個々の自発的な学びを阻害せず、必要な情報を消化可能なペースで提供することが大切です。

個人セッションの洗練については、これまで通り行っていきますが、今年はG-center=肚の重心感覚の重要性を再認識したので、ここをもっと追求していきます。昨年末に、バイ・デジタルOリングテストと伝統医学研究会に参加したのですが、そこで体心点呼吸法を開発した大伴医師のお話が興味深く、自分が追求してきた肚の感覚と一致するところがありました。機会があれば、直接お話したいです。

昨年の個人セッションは、組織や間接の自発的な不随運動が引き出されることが多くなり、身体感覚としては空間との親和性が高まった、空間への広がりが感じられる様になった等の感想を頂くことが多くなりました。それだけ、安全な場の誘導が深まってきたのかもしれません。 

こうした研究を深められるは、セッションルームにお越し頂いたクライアントの方々と、ワークショップでグループで共に探究して頂いた方々のお陰です。

自分で納得して自らの行動を制限する本当の意味での自粛は自由ですが、身体が納得していない、腑に落ちていない振る舞いをし続けると、心身のバランスに狂いが生じます。 ちょっとした違和感を無視せず、自由で幸福な生き方をするために、その土台となる自由な身体に進化させる手助けが必要な方、当セッションをどうぞご活用ください。

今年もどうぞよろしく!

1月4日(月)からワーク始動です。

父と過ごした2020年を振り返る

2020年は、親父がこの世を去るという一大イベントがありましたが、ウイルス禍によって、かえって親父とゆっくり過ごす時間を取ることができました。最後の7ヶ月間は近所にいいタイミングで建ったシニア向けマンションに那須から引っ越してもらい、毎朝晩会うことができ、「看取る幸せ」を与えてもらいました。

父の最期と向かい合ううちに、自分の土台について考えました。親や育った環境がどれほど自分に影響を与えているか、はよく言われることですが、自分で選んでこの仕事に就いていると思っていたのが、自分が思っていたよりも遙かに親の土台の上に育まれてきたことに気づかされました。

ちょうど、昨年末にNHK Eテレの100分de名著でピエール・プルデューのディスタンクシオンという著作が紹介されていましたが、自分の自由意志で選んでいると思い込んでいる趣味・嗜好ですら、与えられた環境・階級で決まっている、という洞察です。同時期に放送された「ファミリーヒストリー」のオノヨーコさんの回で、確かヨーコさんの祖父が、名曲イマジンで歌われている思想をすでにお持ちだったことが明らかになっていました。

親の仕事に敬意を抱いた上で家の家業を継いだり、伝統を引き継ぐ姿勢はすばらしいと思います。(ただ、権力は腐敗するので、地盤を引き継いで2世議員、3世議員が政治にはびころうとすれば可能な制度は廃止すべきですが。)

与えられた土台は与えられたものとして否定することなく、ただ感謝して、それをこれからどう活かしていくかしかないなあと今更ながらに思った次第です。

そうしたことに気づいたときに、あまり感じたことがない父への感謝への気持ちが湧いてきました。

父が独り暮らしのまま、離れて暮らしたまま別れていたら、こんな気持ちにはならなかったはずです。2020は、肉親を亡くす寂しさは痛切ですが、一方で自分の土台は何かを見直すいい機会になりました。

追記)

父は農水省の農業試験場で、畜産の放牧の研究が専門でした。父と一緒に働いてくれた研究者の方々から後から伺ったところによる、 田畑研究室はそれまで生産性が低く粗放なものとして考えられていた放牧による飼育方法が肉と牛乳ともに高い生産性を有することを実証したのだそうです。→ 人間を育てることにも通じるものがありそうです。

従来の認識を変えた知見が、21世紀に期待される農業技術20選に 日本型集約放牧技術 として選定されたとのことです。その過程で牛の採食量とエネルギー消費(運動 環境要因等)を解明するため、世界で唯一直接的に熱の収支を計れる代謝実験棟(当時3億円)を何ヶ月もほとんど寝ずに一人で設計して円形脱毛症と引き換えに完成させた頃が、父にとって最もハードで充実していた時期ではないかと推測します。

こうした成果も 同じ研究室で共に汗を流し、牛(たまに役人)と格闘しながら 辛抱強く協力頂いた優秀な共同研究者の方々に恵まれたからに違いありません。不死身と思っていた父がいなくなって初めて、自分を遠くから見守り支えてくれていたことに気づきます。結果的に息子である私を「放牧」するかのように自由に育ててもらった 有り難みを痛感します。 

セッションは生活習慣病を遠ざける

今年2020年の国際ORTと伝統医学研究会(オンライン)で報告したデータを一部紹介します。

セッションしたクライアントの方A〜Sまでの症例について、写真データから、ORT指導医7段の下津浦医師に酸化ストレスマーカーである8-OHdGのレベルを測定して頂きました。値は、-100から+25までの値で示され、値が少ないほど酸化ストレスが少ないことを意味します。

表をグラフ化すると、以下のようになります。

調べたすべてのケースで、セッションによって酸化ストレスマーカーの値が減少していることが示されました。酸化ストレスは、万病の元とされ、このレベルが低ければ低いほど、がん、糖尿病、心臓疾患や認知症などの生活習慣病になりにくいといえます。

ロルフィングの10回のシリーズに加え、継続的にセッションを受けることは、生活習慣病になりにくい身体につながる可能性が示されました。

体験記をアップ

1.出生時に鉗子分娩、先天性股関節脱臼と診断された方

10回が終了して、一番変化したのは身体のセンターが意識できるようになり、下丹田に力が増したことです。

2.シリーズ全般を通して、触れずにセッションが進行

9回目までの体験ですが、毎回かなり深い体験をされています。

3.幼少時に後天性てんかんを発症され、成長期に完治したものの体の左右の体のバランスを整えることにずっと興味あり、慢性疲労の方

移転します

今月末に、引っ越しします。

今までの場所は8階ということで、部屋からの見晴らしもよかったのですが、3つ前の恵比須苑以来久し振りに2階の部屋になります。

自分の中身やワークがアップデートしてくれば、当然しっくりする場所も変わってくるので、めんどくせ〜し、お金もかかりますが、空間身体学を探究する者としては、一貫性がなければ、説得力に欠けてしまいます。8割方まあまあよくても、タイミングがきたのなら、致し方ない。

介護のため、親父の近くにオフィスも構えるか考えていましたが、結果的にそういう流れにはなってないようです。

これまでより、やや広め、家賃も少し高めですが、滞在してみてその部屋が自分にしっくりくるのであれば、流れも自然になるはずで、なんとかなるでしょう。

ファッシャとは?

先日インタビューを受けたのですが、その時にロルフィングは筋膜に働きかけるんですよね?って話になるんですが、そもそもファッシャは筋膜を越えたものであると再検討〜再定義が進んでいる最中でもあります。

ロルファーとしても、ファッシャをどう認識しているのか?ということが、重要だと思っています。

それは、Principlesの Wholismとも関連してきます。Rolfingを始めたばかりの頃は、働きかける対象をマイオファッシャとして、主に筋肉を介してファッシャを捉えていました。関節の動きは、基本的に骨とマイオファッシャを扱っていればこと足りるのですが、内臓や頭蓋を扱うことになると、内臓筋膜や堤靱帯、大脳鎌や小脳テントといった深部結合組織を扱うのみならず、それらが、movementよりさらに組織固有の微細な動き=motilityを持っていることを学ぶことがセットになってきます。

これらの深部結合組織も全体のファッシャのネットワークの一部ということになります。
細胞の外全体とつながっていて、細胞接着因子を介して、細胞内骨格ともシームレスにつながっています。
そして、その微細な動きが、目に見える関節の動きの根底にあることが理解できると、ワークが繊細となって身体に対する認識も変わってきます。高い統合状態を探究していくと、motilityが変わるだけに留まらず、それがしっかりmovementに還元されるような微細な働きかけが求められます。

結局、細胞以外の空間は、ファッシャで充填され、細胞の中にも細胞骨格とシームレスにつながっているファッシャのネットワークとして身体全体を認識するようになると、受け手の反応もワークの質も変わってくるに違いありません。

生化学でも酵素などの生理活性物質で知られていることは、「構造が機能を決定する。」

変化には積み重ねが大切

当初かなり、前傾姿勢だったクライアントが10回シリーズを終えられた。ご本人曰く、セッションルームで、短い距離を歩いても息が上がってしまい、50メートルも歩けない状態だった。

第4セッションまでは、セッション直後での姿勢変化が保てずにいた。

上の写真のように、セッション直後から、徐々に前傾傾向が戻ったが、

第5セッションで腹部のコア空間を扱うことによって、一週間後も前傾傾向に戻ることはなかった。この頃から歩行が楽にできるようになり、食欲も上がったとのことだった。

その後も前傾に戻る傾向はなくなり、安定した変化の持続が観察された。

では、最初から腹部空間を広げるような働きかけをすればそれで十分なのかというとそうではない。5回目のセッションに至る、1から4回目までのセッションの積み重ねが、変化の土台になっていることを忘れてはいけない。骨盤が内臓を支えるには足が土台となり、そこから骨盤という内臓の容器が変化する準備ができる。容れ物がしっかりすれば、それが台座となって、内臓が収まるべきところに落ち着きやすくなる。

その準備なくして、内臓にいきなり働きかけても、持続するような意味のある変化にはつながらない。

変化の下地を作ること、それができていれば、身体は安心して変化を内側から起こすことができる。そして、実のある変化には、必要な回数と時間が必要です。

最終的に、息も上がらず200メートルまで歩行距離が伸びたとのことでした。

適応障害と診断されたクライアントへのAdvancedシリーズ

“数年前にRolfing 10シリーズを受診し、長年苦しんでいた腰痛は完治したものの、昨年適応障害を患い数ヶ月休職した頃から、首周辺の流れが悪く頭が働かず、疲れやすくなっておりました。頭脳労働に偏った仕事をしており、頭が働かないと差し支えがあるため、Advanced5を受診することにいたしました。
治療中も身体が少しずつ緩んでいくのがわかりましたが、治療を受けた後に、治療前の写真と比較していただくと明らかにバランスが変わり、腰の反りが治って身体の負担が減っているのがわかりました。また、来院の際は重く感じて肩に掛けられなかったトートバッグを、帰りには肩に掛けて歩くことができるようになっており、バランスが修正されたのを感じました。
治療から4日経ちました、頭がすっきりとし、以前のように働き始めたのを感じています。”

2回目以降の続きは、

4年前に10シリーズロルフィングを終了された方からのお便り

わたしがロルフィングを受けたきっかけは、14〜15歳ごろに発症しずっと患ってきた顎関節症を改善したいという思いがあったからです。全10回のセッションを受け、回ごとに違った変化を感じながら、最終的にはきっかけとなった顎関節症の完治には至りませんでしたが、受けたことで身体との付き合い方が変わり、結果、現在は以前よりも心身ともに良好な状態で過ごせています。口腔外科医からも完治は難しいと言われていたので、体調が改善し安定してきたと実感できただけでも大変うれしく思います。

それまでも、顎関節症を治すために様々な療法を試してきましたが、ロルフィングの面白いところは、例えば整体や鍼灸などのように、”治したいところがあって、そこに具体的にアプローチして、わかりやすくシンプルに改善を感じられる”のとは異なり、毎回、自分の身体の感覚が繊細に研ぎ澄まされていくようで、「あっ、わたしの身体にはこういう感覚があって、それが整うとこういう感覚なんだ…」と抽象的だけれど確かな変化を感じられたことです。一度得た繊細な感覚は、セッションを受けてから4年が経過した今も薄れることはありません。

わたしがロルフィングを受けて得た最大の恩恵は、「身体が発する微細な声を受け止められるようになったこと」だと思います。例えば「お腹が空いた」や「眠い」という声は大きいのですぐに気付き対処できるけれど、「これはなんとなく良い気がする」や「これはなんとなく良くない気がする」などの理由はわからないけれど感じる身体の微細な声が、大きな声よりも大切だと気付きました。わたしの場合、微細な声を拾って丁寧に応えていくことで、身体を良い状態に保てるようです。


大きな声の多くは、ときに自分の本心とは関係なく、「こうでなきゃ」「こうあるべき」といった思い込みを含んでいて、その声に応えるために自分に無理強いして、結果的に心身を疲弊させていたように思います。今は思い込みからくる声に対して冷静に対応することができていて、思い込みよりも自分の本心(=微細な身体の声)を大切にし、心身ともに健康的に過ごすことができています。
まだ、”自分の身体と完ぺきに良好な関係を築けている”とは言い難いのですが、これからも身体の微細な声を丁寧に拾って、健康的な生活を維持していきたいと思います。

Yieldは、『ひたすら平和な感覚を伝授する儀式』

イールド(The Art of Yield)を学んでいる方から、セッションを受けた方が、興味深い体験をnoteに綴っています。

Rolfingの素晴らしいところは、10レシピと呼ばれる型があるので、それを各ロルファーがくり返し実践することで、体験から学び、スキルを向上させていくことができる点です。

技法が本質的であるためには、様々な解釈が成り立つ隙間があって、型はありつつも、そこから個々に発展させることが可能でなければいけないと常に思っています。

技法が細かいテクニックの伝授に偏ってしまうと、弟子はいつまでたっても師匠を超えられず、マウンティングされ続け、不動のヒエラルキーが形成されます。

そうした組織の構造はいずれ機能不全を起こし、自然な学びのぷろせすである、守破離からも程遠いものです。

そう考えると、イールドを学び、独自にセッションの機会を設けて実践しているMさんの姿勢は、本質的な学びのプロセスにあり、イールドの技法自体も中心にあるように思わせてくれる体験記です。

https://note.com/tadokublog/n/n647987f0f8c5?fbclid=IwAR3kl8ljjzsWgD5mq5DobFjHrtg9K0Y9kYtx8qPfvciZUn7GHoAK8_1XJHg