月別アーカイブ: 2019年3月

コンストラクタル法則

コンストラクタル法則※を身体技法的に解釈すると

“流動系である身体が時の流れの中で存続するには,身体の配置は,コアを通過する重力波の流れを良くするように進化しなくてはならない。”

となりますが、究極的にはすべての流れがよくなるようにワークできればいいのだけれど、優先的には、筒の構造物であれば、その芯に当たるラインの流れがまずあれば、それに伴って周囲にも流れが生まれるはずなので、まずは、身体でいえば正中線が通っている状態がデフォルトとしてあることには意味があるはずです。

「すべては,より良く流れるかたちに進化する」

ロルフィングの術は,それを促すことなんだと思います。

※ コンストラクタル法則: ”有限大の流動系が時の流れの中で存続するには,その系の配置は,中を通過する流れを良くするように進化しなくてはならない。”

最近受けた質問に対して

お問合せにお答えしました。

“こちらのサイトに経験年数もアドバンスである事も当てにならないと書かれていました。そうなると、何を基準にして選べばいいのか迷っている状態です。”

1、ロルファーはどのように選べばいいでしょうか?

もう,これはご自分の勘や感性でとりあえず決めてみるしかないかと思います。HPの印象も,業者に頼んでいる場合は見栄えがいいですし,いっそ電話か或いはメールで相談してみて,その声のトーンや文面から判断して,ご自分に合うかどうか,確かめてもいいかもしれません。

2、10回受けた後に、別のロルファーのロルフィングを受けたい場合は、その前の10回の効果は引き継がれ、回数は10回より少なくなりますか?

ロルファーによって考え方は異なりますが,
ベーシック10シリーズで進めるなら,引き継ぎは可能だと思います。
1-3, 4-7,8-10が区切りのいいところになります。
ただ,10回行ってみないと分からないのが10シリーズなので,特に嫌な思いをしたり,よほどのことがない限りは,10回通してみるのも,それが縁と捉えて完結するのも一つの考えだと思います。

3、ロルフ・ムーブメントとロルフィングは別々のロルファーに受けてもいいのでしょうか?

はい,10シリーズ後,むしろ別の方がいいかもしれません。

4、平均すると90分くらいが多いのですが、
施術時間の60分というのは短いのでしょうか?
施術時間と効果はある程度比例しますか?

比例はしません。時間の感覚はどの都度変わるので,90分が長すぎると感じる方もいるし,60分が短いと感じる方もいます。
トレーニングでは,60分でまとめるように指導されています。

5、筋膜以外に筋肉の柔軟性も上げたいのですが、田畑様はストレッチの指導は出来ますか?

ストレッチの指導はしません。パーソナルトレーナーもされている方ならそのような指導も受けられるかもしれません。

6、ロルフィング、フェルデンクライス、SE、アレキサンダーテクニックなどいろんなワークがありますが、違いも素人にはなんとなくしか分かりません。
まず始めに何を受けるのがいいのでしょうか?

私は,すべてに精通しているわけではないのと,ご自身の状態もわからないのでコメントできませんが,とりあえず惹かれるものから始めるやり方でいいと思います。タッチについて,過敏な場合や大事故の経験があって,少しづつ慎重に変わりたいという場合は,SEからがいいかもしれません。そうでなければ,私はロルファーなので,ロルフィングをお勧めします。

セッションの文脈 > プロトコール

久し振りの投稿ですが、かなり密でいいセッションが続いていて集中できていたせいか、そうなると非言語的になってあまり投稿しなくなってしまう傾向があります。(言い訳ですが)

今舞台女優の方がロルフィング10シリーズ受けています。6回目のセッションのテーマは、

“仙骨を自由にする”

ですが、基本は、踵〜ハムストリングス〜仙骨周りの結合組織〜脊柱が扱うテリトリーです。

ところが、基本どおり仰向けでワークしてましたが、中盤になっても何かシステム自体が落ち着かない様子。

仙骨周りをあまり扱わないまま、仰向けになってもらうことに。すると彼女の肘に注意が自然にいくので、怪我について尋ねると過去に自転車転倒事故があって、左肘を強打したことがあるとのこと。どうもそれは、その側に人がくるのを苦手とすることと関連していると踏んで、空間からの働きかけを開始。

すると、左股関節の動きが悪いことが気になるとのこと。 骨盤に直接働きかけるのは置いておいて、左肘のムーブメントをすることに。左空間を広げるように動きをしてみると、左股関節の自由度がみるみる上がって、左右差はなくなりました。

決まった手順に無理に従うのではなく、何か文脈というかセッションの中ででてきたことに沿うことで、結果的にセッションのゴールが達成されるといういい例でした。

最後には全体がしっくりきて、十数年前の事故がいかに身体のシステムに影響を与えていたかに気づかれ、深いセッションでした。

左股関節の自由度が上がる前にお腹の深いところが広がったようで、当時急にかかったストレスによって閉じたままになっていたことが、重い生理痛やシビアな40肩にも関係していた可能性が高いです。