月別アーカイブ: 2018年3月

能∞ロルフィングのイベント後に寄せられた感想

先日3月8日に代官山ライブハウス,晴れたら空に豆まいてに於ける,安田登さんとのイベント後に寄せられた感想をご紹介します。

「8日のワークショップは、気づきと気持ちよさの宝庫でした。
田畑さんが安田さんに施術されている時はあまりの気持ちよさに
目を閉じてしまい、自分が受けているかのような錯覚に陥りました。
自分が初めて受けた時は、ロルフィングのロの字も知りませんでしが、
田畑さんが左に立たれた時は怖くて泣いたことを、
右に立たれた時は怖さはそれほどでもなく、安心したこと
などを思い出していました。
自分が受けていた時、いつも目をつぶっていたので、田畑さんは
一体何をされているのだろうとワークショップでは頑張って
目を開けようとしていたのですが難しかったです。
安田さんと間を図っていらっしゃるのを「見ていて面白いですか?」と
安田さんは仰いましたが、「いつまでも見ていられる」と思いました。
始めのスライドも、お言葉の中に真髄がいっぱい詰まっていました。
また、ロルフィングだけでなく、能も好きで時々見に行くので
シテ、ワキのこと、冥界とのことなども知れてうれしかったです。
成長のブレイクスルーは突然起こること、全身全霊で何も
しないこと、自発が起こること、滲み出ることなどキーワードが
目白押しですが、あわててメモしなくても、必要なものは必要なときに
出てくるのかなと思っています。」
–  Iさんより

 

先日の安田さんとの対談とセッションは、対談として想像していたのと全然違う感じでしたけれども、とてもよかったです。お二人でずっと楽しげにいろいろされていて、後ろのほうから見ている私は置いて行かれてる感満載でしたが、それがいつの間にかこちらも体が整ってきて楽になりました。帰り道は足が前に出やすくなっていて恵比寿まで歩くスピードが早くなりました。

職場で人が立て続けにやめてしまいまして、今年に入ってから残業続きとストレスで、夢にも仕事が出るし胃も胸もつねに詰まっている感じで割と追い込まれている状態でしたが、安田さんと田畑さんが距離や向き合い方をいろいろ試されていたあたりから、はっきりと楽になっていると自覚し始めたなと思います。上にあがってつまっていたものが久しぶりに、下におりてきてくれて楽になったのを感じました。
2年ほど前から能の謡のお稽古を初めてまして(先生は安田さんではありません)、たまたま対談翌日の昨日がひと月ぶりのお稽古でした。しばらく仕事にかまけて自主練もできず、このまま先生の前で謡ったらのどがしまりそうだなと思っていたのですけれども、声を出してみたら意外にも楽だなと感じ、次にこれならのどがしまらずにやれそうだから、下に下げて響かせられるかもと思って、肚まではさすがにいけませんが下のほうに下げてみたりしました。田畑さんのセッションの後に安田さんが謡を謡われた時、いろいろ試しましたと話されたのをと思い出しました。比べ物にもなりませんけれども、あれ、なんかいけそうと思ってそのままなんとなく試したくなる感じや、後から、対談セッションと自分のお稽古が発声でいつの間にか結びついたことなどに気づいて、いろいろ物事は面白いなと思いました。また安田さんとの対談第二弾がありましたら必ず参ります。お二人が楽しそうにいろいろされているのを拝見できますから。そして自分にもいいことがたくさんあります。ありがとうございました。
–  Kさんより
その他にも,デモのお裾分けで調子がよくなったという方や,もう一度セラピストを目指そうと思われた方もいたりで,反響が大きいトークショー?でした。

能楽師の安田登さんとのイベントを終えて

3/8に,代官山ライブハウスで,下掛宝生流ワキ方の安田登さんとのイベントがありました。たくさんの収穫があった今回のコラボでした。

深いセッションをしていると,自分が憑依性を帯びてくることがあります。自分であって,自分でないような感覚です。それは,スピリチュアルと言えばそうなのですが,特別なわけでもないし,かといって意味不明の怪しさでもないけど,確実に起こることです。

ワキという役割は,積極的に霊を呼び込みながら役を演ずるそうですが,憑依されてしまうのを避けるために,肚に力を入れるそうです。

肚に力を入れるというのは,力むこととは違うので注意する必要がありますが,要するに様々な情報に気づくために知覚は拡大しながらも,自分がお留守になって,乗っ取られてしまったり,他人の感覚と自分との境が曖昧になって精神的に不安定にならないようにするためには,肚に意識を向けることがことさら重要ということです。

これは,セッションで体験的に分かっていることですが,肚が感覚で満たされていないと,ワークの効きも悪く,セッション自体がどよ〜んとしてくるので,肚は常に重要だと思っていたことと,安全にセッションを進めるためにも押さえるべきツボ中のツボです。

あ〜久し振りの安田さんとイベント楽しかった〜。

能楽師の安田登さんとのイベント

こんどの3月8日(木)夜の代官山ライブハウス「晴れたら空に豆まいて」にて能楽師の安田登さんとイベントします。

このイベントを前に,安田さんご自身のブログの中で,ロルフィングと能におけるシテの役割,そして何もしないことの意味について解説されています。一時期ほんの短い時間でしたが,安田さんから能を習ったことがあります。当時,シテの役割について伺ったことはあるものの,今その役割がはっきりわかった気がします。そしてそれは,自分がロルファーとしての役割とすごく重なる部分があることも理解できました。

すでに現役バリバリの能楽師として活動されていた安田さんが,時間とエネルギーを捻出して日本初となるロルフィングトレーニングを推し進めつつ全課程を修了された意味が,今となってはわかる気がします。身体について深く学ぶことが安田さんにとって必要なんだろうなあとだけ思っていたところがありますが,実は,ロルファーの仕事は,能におけるシテの役割と,同じということ。

そして,シテを演じきることは,聴衆が知覚を拡大したり,ものの観方をシフトさせるきっかけになることができる。結果として,教育という分野にも関連してきます。安田さんの多岐に渡る才能や自由な活動は,矛盾なく,大きな一つの流れに沿っているんだろうなと思います。

また,能の舞台を通じて,修練されてこられた安田さんですが,何かの技法を修練していく過程で,技法を成熟し分化させて型から離れる時期が訪れたときに,本質は押さえたままで”離”の状態にどう移行するのか,この辺りも安田さんに伺いたいところです。