月別アーカイブ: 2015年9月

冷えの解消

Somatic experiencing®のセッションを受けにいらしている方が,3回終わったあたりから,手足の冷えが改善したことを教えてくれました。

漢方薬を飲むなど様々なことを試しても効き目を実感することがなかったらしいのですが,このセッションが助けになったようです。

冷えないように衣服で工夫しても,限界があります。

ロルフィングでも冷えが改善する方はいらっしゃるので,何かしら統合が進めばそういうことが起こるのも不思議ではありません。

注)ロルフィングやSEが冷えを改善する,と謳うつもりはありませんが,冷えでお悩みの方は少なくないようなので,一つの可能性として捉えて頂ければと思います。

 

体験レポート – セッション 2

セッション直後よりさらにバランスが変化していています。これは振り出しに”戻る”変化ではないことがお分かり頂けると思います。確実に首の支え方にも違いが出てきており,首の後ろにもスペースが生まれています。

 

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さて,前回の続きのレポートをご紹介します。

 

【セッション㈪前日】
・美容院に行きました
この美容院という場所は、わたしにとっていい練習の場です。
それは、足場に身を委ねることの練習です。
髪を切ってもらっている間、シャンプーしてもらっている間、いつもイスに安心して沈むことができません。
今回も施術中ずっと身を固くしたままでした。
2ヶ月後くらいにはまたいくと思うので、セッションを経たことで変化があるか観察してみます。

【セッション㈪当日】
・行きの電車内
どの場所や場面においてもわたしはいつも安心できず、ずっと続く緊張感で心身が疲れます。この日の移動中もそうでした。
以前ヒプノセラピー(退行催眠)を受けた際、鎧がイメージに浮かんだことがあったのですが、それは「戦国時代のごとく、常に身の危険を感じている」ような強い思い込みを表していたのかもしれません。
その根源は探ってみてもなかなかつかめないのですが、セッションを重ねていく中で見つけたいと思います。

電車のイスに座りながら、前回セッションの最後に味わった座り方のここちよさをまた感じられるか確かめてみたのですが、わからなくなっていました。
そのせいか、肩甲骨より10cmほど下あたりの背中に痛みを感じました。
(気持ちのいい座り方・気持ちのいい重心のポイントが見つからない時はかならずどこかに痛みを感じます。)

そのあともう少しポイントを探っていたら、ふと「統合」というワードが頭に浮かびました。
その言葉を思い浮かべながら座っていたら、すこしラクに座れるようになりました。
このセッションにおいては、言葉よりも身体で覚えたことを優先させたいと思っているのですが(アタマを使いたくない)、この時「やっぱり言葉も有効なのかな」と思いました。

【セッション中】
・「預ける」という言葉は、身体も心も動かすんだと感じました。
(田畑さんがその言葉をおっしゃると、身体が台に沈んでいくのがわかります。)

・視覚を閉じるか、開けるか
前回はどちらでもほとんど同じ感覚でしたが、この日は閉じた方が落ち着いていられました。
普段視覚を使いすぎている感があるのでセッション中は他の感覚器も働くようにと目を閉じているのですが、あまりそう思い込まずに今後も閉じたり開いたりして視覚の有無がどう作用するかの観察をしていこうと思います。

【セッション㈪直後】
・1回目直後同様、身体のあちこちの感覚を確かめてみました。
前回との違いを感じたのは首です。
1回目セッション直後に感じたクリアさ(痛みや引っ掛かるところがない)がありませんでした。
「こうじゃなきゃいけない」という思い込みの意識が、首の角度を固定していたからではないかと自分では感じています。
痛みとかコリは、自分にとって本当に心地よいと感じる場所と、いま現在の体勢とのギャップによって生じるものなのかなと思います。

【セッション㈪後2時間経過】
・呼吸:クリアではない。腹壁にぶつかる感じです。

・身体全体の感覚:前回レポートに“身体の中心に、透明でしなるプラスチック板があるような感覚”と書きましたが、それは今回のセッション後にはありませんでした。
代わって今度は“身体の中に振り子がある”ような感じです。
(揺らぎながら、気持ちのいいポイントへ収まっていく)
この「揺らぎながら中心を見つける」という感覚はけっこう心地がよいです。
中心を探っていくことで自分の足場や居場所をも確保できるような、安心につながっていく感じを受けました。

・精神面:変化を感じませんでした。わたしが持っている心の問題(実父に恐怖がある)にも変化はありませんでした。
ただ、「変わることへの恐れを手放そう」という気持ちが浮かびました。
変えたいからセッションをお願いしているのに、どこかに「変わりたくない、怖い、変わってもらっちゃ困る」と、服の裾をぎゅっとひっぱって引き留めようとする自分もいるのです。
だから、「でもさ、変わることは楽しみなことだよ?」と自分に話しかけました。
どんなに素晴らしい施術をしていただいても最後は自分の意識次第だと思うので、いつも開いた状態・恐れからフリーな状態でいようと思います。

・帰りの電車内:いつもは景色を眺めたり車内広告を読んだりするのですが、この日は何もせずひたすら、自分が何か発してくるのを待つ・それをキャッチすることをしていました。
呼吸以外はクリアな状態に感じられ、身体の中は白い空間のようでした。

・食欲:この日の夕飯は、ちょっと食べ過ぎたけどいつもよりは少ない、といった量でした。

・身体全体的にはわりと気持ちがいいと感じていましたが、足裏に痛みとまではいかない違和感がありました。「どう接地したらよいのかと迷いがある」ような。

【セッション㈪の翌朝】
・首:昨日のセッション直後と変わらない感覚でした。
(セッションを受ける前よりは痛みが少ないけれど、付け根のあたりが痛い)

・精神面:気分は悪くないけれど、いつもと変わらないといった状態でした。
ここ数年、毎朝起床直後に下腹部卵巣付近に鈍痛を感じるのですが(嫌なことを思い浮かべると胃が痛むというケースはけっこうあると思うのですが、わたしの場合それが胃ではなく卵巣なのです)、この日も痛みました。

・足裏:昨日同様、違和感がありました。
朝のうちは右足小指下の出っ張りがあるあたりに痛みを感じ、朝10時頃にはそれが全体に広がりました。

・座り方:この日は座ることに関していろいろと試してみました。
わたしは原付に乗るのですが、普通にイスに座るのと違ってハンドルを握るので上半身がやや前傾します。こんな時の心地いいポイントはどこだろうと、いろいろ重心を変えて探っていきました。
その後、普通にイスに座る時の重心・ラクに座れるポイントを探す中で思ったことは
「人から“これがいいんだよ”と言われた姿勢だと、背中が痛くなる」ということです。

セッション㈪の終わり、「ヨガの先生に言われた座り方」を再現してみせた時、
田畑さんは「でもそれって座りづらくないですか?」とおっしゃいましたが、
その言葉がすごく響いて残ったのです。
「ですよね、実際座りづらいと思ってたんです!」と、うれしくなってしまって。
自分の気持ちいいと感じるところがいいんだ、という旨のことを言ってくださって、
その時の一連の言葉が自分にとってはとても大きかったです。
先述しましたが、アタマを使ってしまう気がしてなるべく言葉には頼らないと思っているけれど、でもやはり言葉を活用することも大事だなと思いました。

それと、人に言われた“姿勢”と書いて思いましたが、いま自分が探しているのは
姿勢ではなく、“ポイント(中心のような・重心のような)”です。
形でいうと、軸・線ではなく、点・球体。
これはけっこう大きな差なのではないかと思います。
姿勢は型で、揺れられない。ポイントは自由度があって、心地よい揺らぎがある。
ようなイメージです。

【セッション㈪翌日の午後】
・歩きながら「自分の気持ちいいポイント」を見つけるのがちょっと楽しみになってきました。

・「身体は言葉では話しかけてこない」というフレーズが急に浮かびました。
このところ「言葉はアタマだからあまり使いたくない」ということをよく思うからでしょうか。それはさておき、身体が伝えてくれることを無視しないでその場ですぐ受け取るようにしたいと思っています。

・この日はイスに座っていることが多い1日でした。
なるべくダラリとせずに上半身を立てて…などと思っていたのですが、
「そうすると気持ちいいから」というより「そうしなければ」という意識でした。
そのせいか、身体が固まってしまったように思えました。

でも、疲れたら猫背になってもいい・そうなったとしても自分のポイントがあってそれがラクならば、バランスが取れていたらいいのでは?と思ったり。
そんな考え方も出てきて、そうしたら背中の痛みがすこし取れた気がしました。

・昨日のセッション終了後の写真撮影で、アゴの角度をいろいろ変えながら気持ちのよいところを探していたのですが、この日も昨日とはまた違うポイントでした。
(昨日は上向き、今日は下向き)

・食欲:夕食すごく食べ過ぎ。

【セッション㈪から2日後の朝】
・座り方も歩き方も気持ちのよいポイントが見つからず、背中が痛かったです。

・足裏:全体的に痛かったです。

【セッション㈪から2日後の午後】
・歩きながら気持ちのよいポイントを探し続けるけれど、朝同様見つからない。
でも座っている時・立って静止している時はわりと心地いいポイントを見つけているし、背中も痛くない。

・今日は1日雨。でも天候の影響を受けている自覚はなかったです。

・精神面:変化感じず。

・食欲:空腹を強く感じたので、そこにあったエナジードリンクを飲んだらおさまった。
その時、「すぐに空腹を消そうとせずに、味わってみてもいいのでは?」と思いました。
またアタマが身体を黙らせてねじ伏せたように感じたからです。
空腹感じた→苦痛
ととらえずに、空腹を感じたならただ「ああ、空腹だね」と感じることに専念して、
その先の判断をしなくていいのでは?

・首:付け根がかなり痛かったです。
でもセッションを受ける前に頻繁に感じていた左後頭部の痛みはこのところありません。
不思議だったのが、痛いと感じているところを指圧してみたら痛くなかったことです。
いつもならイタ気持ちいいと感じるのに。

・呼吸:食べ過ぎたわりには、わりとどこにもぶつからずに吸えました。

・足裏:どこが特に痛いというわけではなく、全体が疲れていて老廃物が溜まっている感じでした。滞っている感じ。

【セッション㈪から3日後の朝】
・午前2時頃に目が覚めました。
脚だけなぜか軽く感じました。足裏もです。
おなかは重いし、首も痛いし、ちょっと風邪気味、でも脚だけが軽い。
正座からうしろに反って前腿を伸ばしてみようとしたものの、足首がすごく痛くて出来ませんでした。
でも、しゃがんだ状態から立ち上がるという動作はすごく軽い。

・歩くときの気持ちのいいポイントが見つけられて、背中が痛くない。
でも、座るときのポイントは見つからない。

・朝食の食欲:食べ過ぎ

・足裏:外側を使うことが多いなと思って(だけど靴のソールは内側が減っている。写真添付します)、土踏まず側を意識して使うようにしてみました。
すると身体を天地に貫く透明な柱のようなものが、身体の真ん中に感じられました。
いつも浮かぶのは柱状ではなく、ポイント(ゴルフボールより一回り大きいくらいの球体)だったのに。

・肩の付け根が痛いせいか、頭痛がしました。

【セッション㈪から4日後】
・日帰り旅行に行きました
新幹線に往復7時間ほど乗ったので同じ体勢が続いたのですが、そんなに疲れなかったです。

・食欲:旅行だと食べ過ぎてしまうのが常なのですが、今回はそうでもありませんでした。

【セッション㈪から5日後と6日後】
・両膝が朝から痛みました。
雨が降ると痛い、ということがありますが両日とも晴れ。
昨日は旅行でたくさん歩いたからなのか、同じ体制でずっと座っていたからか?

・身体が伝えてきてくれること(痛みや疲れ)に、聞こえないふりをせずすぐに受け止めるようになってきたと思います。

・4日後〜6日後にかけて、深く息が吸えないと感じました。
身体のことというより、精神的なことに起因しているのではと思います。
(このころ、先述した父への恐怖が強まっていたので)

・6日後に、久しぶりに左後頭部の痛みがありました。
また、「気持ちいいポイント」を感じようとすると腰に違和感が生じました。

・痛い、とかざっくりした感想が多くて、微細な感覚を掬いとる余裕がないのかなと感じます。
ものさしの目盛りが粗いというか…

【セッション㈪から7日後】
・朝食の食欲:食べ過ぎ

・移動の電車内でいつもよりストレスを多く感じて、肩が痛くなりました。
隣に座った方が寄りかかってきたりとか、脚を開いてきたりとかということがあったからです。
こんな時、感情と身体のつながりを感じます。
右側に自分にとってイヤだと感じる人が座っていたら、右の肩だけ痛くなるからです。

・座る時の気持ちいいポイントを、今日も探しました。
前回セッションの終わりに「ヨガの先生にいいと言われた座り方」を再現してお見せしましたが、その時感じた“三角形のイメージ”が浮かびました。
ヨガの先生のおっしゃる座り方は、坐骨の上に垂直に座るというもので、横から見ると直角三角形のイメージです。
対して自分の気持ちいい座り方はそれよりも上体がやや前傾して、同じく横から見ると頭頂部・お尻・両膝を結んで二等辺三角形になるイメージです。
直角三角形よりも二等辺三角形のほうが、横から力がかかった時に倒れにくいと思うのですが、だからラクだと感じるのかなあと、あくまで自分の中の感覚ですがそんな風に感じています。(イラスト写真添付します)

以上です。

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最後は自分の感覚なんだけど

 

何かの療法や治療によって,すごく助けられると,そこから上を目指そうとしたときに,逆にそこで習うことや指導されたことが,むしろ足かせになることがあります。

著しくバランスを崩した状態からスタートすると,多少粗っぽい調整でも,大まかには中心に向かっているので,調子がよくなって行きますが,あるところまでいくと,ヒットしていない感じだったり,届いてない感じになり,進まなくなります。

それから先の統合状態や楽な感覚を得るには,別のレベルの異なる視点が必要になってきます。

ですが,大抵の場合,それまで受けてきた場所との関係性に囚われたり,昔の杵柄がまた使えるような錯覚がありますが,それらを手放せるか,勇気が要ります。

でも身体だけは正直にできているので,それが,”今”フィットしているのかどうか?そのプラクティショナーと”今”取り組むことがあるのかどうか?はわかっています。

別の可能性に目を背けていないかどうか? それまで使えた情報が,”今”有効なのかどうか?検証してみる必要があります。

 

 

 

ワークショップを終えて

4日間の10シリーズのムーブメントへの翻訳ワークショップパート2を終えました。

同じタイトルのクラスはすでに5回程度開いていますが,毎回デモの時のモデルも異なるのでそれぞれ違った流れになります。一人の参加生は再参加ですが,彼のようにできたら複数回受講してくれるのが理想です。

今回は始めて鼠径部の血管を包むfasciaや坐骨がクローズアップされました。実習の途中,股関節が剥がれ落ちるくらい大きく空間ができたという感覚があったようです。

実習後の振り返りの際,すぐさま答えがでないような,ずっと問いかけ続けなければいけないような質問がでたり,それについて日本語で日本人として意見を交換することがとても有意義な時間だったと思います。

参加生同士の交換ワークによって,毎回写真で確認しましたが,みながどんどん変化していくのを目の当たりにしました。

また,今回は,始めて参加者としてロルファーに加えてGSIという別のStructural Integrationの団体で認定された方にもご参加頂きました。

元々,彼女はMary Bond先生にMovementを習うため,2度渡米されているのですが,Maryを通して,こちらにいらっしゃっとのことです。

札幌で活動されている佐藤志穂さんというSIプラクティショナーでしたが,脳脊髄減少症と診断されたクライアントを複数ワークした経験をお持ちで,10シリーズが回復を劇的に促進したことをシェアしてくれました。

経験豊富で実績のあるプラクティショナーと接するといい刺激を受けます。こちらからいい刺激は与えられたかな??

 

開胸手術を受けた方へのロルフィング

心臓弁修復のために開胸手術を受けたYさんから10シリーズRolfing後に感想を頂きました。

以下転用します。

ロルフィングを受けた感想を書かせていただきます。

心臓の手術を受けてから、さまざまな体の不調がでてきました。

術後回復は順調だったとはいえやはり大手術でしたから、その影響から立ち直るには多くの時間と段階が必要なようで、体の動きが悪くなったり、寝返りが打てず腰痛になったり、湿疹ができたりしました。

それぞれに治療やリハビリをしてある程度症状は落ち着きましたが、手術前の体のスムーズさを思い出すとそれとは随分違うように感じたので、もう少しそれを取り戻したいと思いました。

そうした経緯で今回ロルフィングを受けたのですが、結果的にとても良かったです。
体が深いところまで平穏さやリラックスを取り戻し、
より順調に生活できているように感じます。

静かに休息している時の安らぎが一番の変化です。
おそらく体には逞しいところと繊細なところが並存していて、逞しい部分は自然に回復してこれたけれど、
繊細な部分はまだ立ち直りきっていなかったのだと思います。

田畑さんのワークがその立ち直るきっかけを与えてくれたと感じています。

どうもありがとうございました。

 

股関節に違和感のある方へのワーク

股関節のかなり強い違和感がある方で,1から3までのセッション直後は,かなり改善されるのですが,すぐまたその違和感が戻ってくるとのこと。

第4セッションの時に,骨盤底がなかなか変化しないので,下腹部の内臓空間の流動性を引き出すことに焦点を置きました。すると,その流動性がでてくるとともに,股関節の違和感がなくなって,最終的に歩いてみると,全く気にならない程度にシフトしていました。

この方は以前子宮筋腫の摘出術を受けたことがあり,恐らくその開腹手術の影響で組織間に癒着が起こり,それが望ましくない張力を引き起こし,股関節に影響を与えていた可能性があります。

関節や足・脚の支えや,肩甲帯の可動性を引き出すことで股関節の違和感が改善することはあります。実際1〜3のセッション直後にはそれが達成されたわけですが,それが持続しないとなると,別の観点が必要になります。ただ,内臓空間の広がりを引き出すには,1〜3回目のセッションで扱う内容が,そのための着実な準備になるので,そこを省略することはできないのです。また,そのせっかく得られたバランスが,長く続くように関係性を創っていくのがロルフィングのプロセスです。

 

 

 

 

身体と一致させとく

災害に際して,避難指示はでていたのか?危機管理はできていたのか?どこに責任があったのか?などなどいろんな意見がでる。 どこからどこまでが安全な領域なのか?,突き詰めると答えはでない。

ただ一つ言えるのは,必要な時に身体感覚を通して,いざというときにそれを察知できるかどうかが鍵なのだと思う。 周囲の状況や情報はあくまで参考としても,これはいよいよマズイっとなった時に身体は絶対に反応してそれを教えてくれるはずだ。

身体感覚がしっかりあるかどうかは,なにも運動ができるとかダンスがうまいとか,関係ない。思考や他の人の考えばかりを優先するのではなく,とりあえず,腑に落ちることを優先させて,誰かの考えではなく自分の身体の声・感覚を感じるようにするとどんどん育ってくる。

そうすれば,いざというときに,危険を事前に察知するだけでなく,人生の大きな流れに自分が乗っているのかどうか,身体がセンサーとして働いてくれる。

固有の身体のセンサー,それを育てることが,この先の険しい時代を生き残るための武器になると思う。

 

体験レポート – セッション1


先週Rolfingを開始した方から体験レポートをお寄せ頂きましたので紹介させて頂きます。

Rolfing 1st session

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【セッション中に感じたこと】

・「立てた状態の左膝を、田畑さんに預ける」という動作のときに、
左の股関節がするするとひらいていったのが心地よかったです。
南京錠が突然カチン、と外れたような感じで、
どこまでいけるんだろう…?と思いました。

・顔がやや左側に傾いている気がして、「ああ、もうちょっと真ん中に行きたい」
と感じたのとまったく同時に、
田畑さんの手が私の頭にかすかに触れてちょうどよい角度に戻ることが出来た、
ということがありました。
声に出さなくても、私の意思はどこかで田畑さんにサインを出したのでしょうか?
寸分たがわぬタイミングだったので、すこし驚き、でも気持ちがよかったです。

【セッション直後の写真撮影時】
・セッション前と違って、迷いなく立てました。
「すっと決まる」感じです。
「型が出来た」というほど固くはなくて「すっと収まる」ような。

【セッションが終わった帰り道(セッション後10分経過)】
・歩きながら首を回してみるとほぼ痛みがなく、とても驚きました。
後頭部、首、肩と指で押してみても、いつもの痛みが全くないのです。
感覚が麻痺してしまったの?と思うほど。

【同じく帰り道(セッション後2時間経過)】
・頭痛を感じました。主に左側。
ただ、首や肩にはいつもの痛みはありませんでした。
(背負っていたリュックが重かったからかな?とも思いましたが、
セッション前には頭痛はありませんでした。)

【帰宅後(セッション後約5時間経過)】
・身体の各部分の状態を確かめてみました。
→首を回す:痛みがまったくない。
→立位前屈:セッション前との変化は感じない。
→あぐらからの前屈:いつも感じる股関節(特に左)の痛みがない。
代わりに、いつもは感じない臀部から太腿裏あたりの痛みがあった。
→腰を起点に上半身を旋回:いつも感じる背中の痛みが少ない。
→足裏・手のひらのツボ押し:ほとんど痛みがない。
腰の反射区と言われる、左手小指下1.5センチほどのツボには、やや痛みあり。
→正座からうしろに上体を反らして、前腿を伸ばす:いつも通りの痛み。

【セッションの翌朝〜睡眠は5時間ほど】
・起床直後は首のうしろや付け根がかなり痛かったのですが、
それから10分後くらいにもう一度確かめてみたら、
セッション直後の痛みがない状態に戻っていました。

・いつもは起きてすぐだと少しふらふらするのですが、
この日はほどなくして「身体が芯を取り戻した」ような感じがしました。
上記の【セッション直後の写真撮影時】の時と近い感覚です。
芯といっても固くはなく
“透明でしなりのあるプラスチック板が身体の奥の方、胸から骨盤の間くらいにある”
という感覚です。
そのしなりによって、ふっ、と中心に戻る感じなのです。
セッション中に
「わたしにはいつも消えない緊張があって、
それは黒くてぎゅっと固い棒状で、芯のように身体の奥に在る」
とお伝えしましたが、その芯とはかなり違います。

・呼吸がしやすくなっていることにも気づきました。
いつも食べ過ぎた翌朝は、食べもののたくさん詰まった胃や腸にぶつかって
息が思う存分吸えないのに今朝はそれがなく、すんなりと吸えました。

【セッション翌日の昼頃】
・午前中から後頭部左側がズキン、ズキンと規則的なリズムで痛み始めました。
この場所は、日常的に痛むところです。

・昨夜のように身体の各所を動かして確認してみると、痛みが取れていたはずの首が
いつもの痛さに戻っていました。

・夕方近くになると、左の眉頭付近もズキズキと痛み始めました。
こちらのリズムの方がいくぶん小刻みに感じました。

【セッション翌日の夜】
・身体のあちこちを動かして確かめてみましたが、どこもほぼ、
セッション前の感覚に戻っていました。

・特に首と肩の痛みが普段気になっているので、そこを何度も確認したのですが、
一晩の間で、痛みがあったりセッション直後の痛みのなさに戻ったりを
繰り返していました。

・歩き方、座り方も前の状態に戻っていました。
今朝感じた「しなりのある透明な芯」の存在も、かなり薄らいでいました。

・私は食べ過ぎていると感じるので、このセッションを通じて
どうして食べ過ぎてしまうのか?、ちょうどいい量で止めるには?
などを自分に訊いて、その返事を受け取れるようになりたいと思っています。
→セッション当日の夜、翌日の夜、いずれもいつも通り食べ過ぎで、
食欲に関してはセッション前との変化を感じませんでした。

・「意識(マインド、頭)が、身体の言っていることを聴かない、
身体はただ意識に従わされて泣きそうになりながら働くのだけれど、
もう疲れて動けなくて立ち尽くしている。」
いつもそういう感覚があるのです。
食べ過ぎることもそうですし、午前中から始まった痛みもそうです。
午前中はパソコンを見つめてウンウン唸りながら過ごしていたのですが、
痛みというサインを伝えてくれていたのに、
マインドは作業を仕上げてしまいたいと押し通し、
結果パソコンに向かい続けていました。

・自分自身がマインドと身体とハートの3つに別れていると感じているのですが、
全部が融けあえれば、いまの不安定さや混乱がなくなるのかなと思います。
このセッションで、もしかしたらそういった統合が為されていくのかな、、、?と思います。

【セッション2日後の朝〜睡眠は7時間ほど】
・首の状態:昨日の朝のように、“起床直後は痛いけどすぐ戻れる”かと思いましたが、
痛いままです。

・呼吸:昨日も食べ過ぎたのですが、いつもよりは「胃や腸にぶつかって吸いにくい感」
がありませんでした。

・“透明なプラスチック板”の存在はほとんど消えかけています。
椅子への座り方にまた迷いが戻って、背中(肩甲骨より10cmほど下あたり)に
痛みがあります。

以上がセッション当日から2日後の朝までの記録です。

2日後には、身体の感覚がほとんどセッション前に戻っているように感じます。
ただ、微かにですが“透明なプラスチック板”は感じます。

“透明”と書いて気づいたのですが、セッションを受けて「色」の変化に気づきました。
セッションの最初にお伝えした「黒い」固い棒状の緊張が「透明」なプラスチック板に
変わったという点です。

そういえば、セッションを受けたお部屋の白さが心地よかったのも思い出しました。
光がよく入ってきていて、白の明度が高くて透明に近く感じられました。
なので、いつもは目を閉じているほうが好きなのですが、
あの時は開けていても落ち着いていられました。
あの時感じた透明を、このセッションによって自分の心身にも得たいと思います。

 

 

Rolfer’s comments

首の痛みには複数の構造や機能,知覚が関わっています。尾骨強打,全身の関節との関係,前庭システム,むち打ち,などなど,痛みの場所から離れた組織からの影響,近くのより深部の例えば縦隔や堤靱帯の歪みからくるかもしれません。

いずれにしても,1回目は全身に呼吸が行き渡るように反応性を高めるためのセッション。痛みがない状態が一時でも得られたということは,とりあえず,可能性があるということです。 そして,痛みから解放されるには,別の構造単位や別の視点から働きかける必要があるということ。主訴の周辺に埋もれていることが,少しづつシフトしていくと,思わぬ宝に巡り逢えるかもしれませんね。

 

1回目のセッションの後,上半身の位置が後ろから中心に乗ってきて,さらに2日空けていらしたときには,よりバランスされていることが分かります。

最新のRolf Instituteの機関誌 – Ask the Faculty

Rolf Instituteの機関誌, Structural Integrationに掲載した記事を転用します。ファカルティ(教員)に聞く,という欄に掲載しています。

Ask the Faculty 

The Body-Mind Relationship 

Q What is something from your Rolfing® Structural Integration practice or another field of study that has struck you about the body-mind relationship?  How has it affected your thinking, how you practice our work, or how you communicate with clients? 

A While working at a pharmaceutical company before becoming a Rolfer, we collaborated on a project with two physicians, Drs. Omura and Shimotsuura, who are using a procedure they call the Bi-Digital O-Ring Test (BDORT). This method can locate each organ’s outline on the skin using the phenomenon of electromagnetic resonance through the human body. When the physician finds cancer in a patient, in most cases the location mapped by BDORT matches well with what is found through CT/MRI imaging. 

The BDORT method can also be used to determine treatment. While at Dr. Shimotsuura’s hospital for a few months, I saw many kinds of carcinoma seemingly cured completely with supplements, Chinese herbs, or acupuncture, chosen and prescribed using the BDORT method based on what ‘canceled’ the electromagnetic level of the lesion. All results were backed up by MRI or sonographic analysis. It seemed that very subtle stimulation is enough to heal the organism. 

Dr. Shimotsuura observed that when a patient failed to heal, he had often taken a higher or lower dosage than the BDORT results determined, or a supplement other than what was selected by the BDORT method. This suggests that appropriate subtle stimulation can stimulate healing, while excessive or uncalled-for stimulation may cancel the positive effects of a suitable intervention. These experiences affected my perception of the human body, and may lend support to the concept of ‘less is more’ in our somatic work. 

Hiroyoshi Tahata Rolf Movement Instructor 

www.rolf.org  Structural Integration / July 2015 

身体感覚の気づきは多く語れないもの

身体の微妙な変化を捉えても,それを内側から湧いて出てきたまさにその言葉,っというようなはまった言葉を捕まえるのは難しいものです。

これは,ロルファー側としても同じで,セッションを続けていると,どんどん中身や知覚は変化していくので,3ヶ月もするとどんどん更新されていきますが,言語化はついていきにくいところがあります。

あまりにアウトプットしないと,あの人生きてんだろうか?ってことになりかねませんが,セッションが立て込んだりすることが重なると,ますますブログ更新とかつぶやきも疎かになりがちです。

でもそんなときこそ,内側では蓄積されたものを静かに処理して消化しつつ次のワークへの基盤ができる過程にあるわけで,詩の言葉のようにでてくるものを捉えて,アウトプットできるといいなと思います。