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動きの質を変える

可動域を上げるためのストレッチなどのエクササイズはたくさんありますが、動きのスムーズさや楽に動かすということをロルフィングのプロセスは手助けします。

歩くという動きをロルフィングではよく見ていきます。足からどれだけその上の構造とつながりがあるのか、連続性はどうか等など。或いは腕を上げ下げしたときに、楽に上げられる角度はどうか?どこから抵抗があるか?左右に違いがあるのか、それらを改善するためにはどうしたらよいかをサポートしていきます。

治療・処置であれば単に痛みなく動かせるようになったで終わると思いますが、その先のクオリティの高い動きができるように、適応性を上げるお手伝いをします。

Differences in movement quality through Rolifng with Yielding embodiment by Hiroyoshi Tahata

どのような違いとなるのか?一つのケースを紹介します。

最初の歩きに関して、ロルフィング前より終了後の方が、全体のつながりや流動性があるように見えます。

第1回目の施術前は座ってから立つ動作が本当に億劫になっていたが今はスッと立つことができる朝目覚めた際の体の痛みも少ない気づいたのは腎臓あたりがかなり冷える傾向にあった身体だが腎臓周辺の皮膚に体温が戻ってきている。

歩いても上半身が良い位置で下半身に乗っかっているなという印象。車内で歌ってみるとよく声が出る歌い手さんや身体をなりわいとした職業の方にはよりお勧めだと思った。(勿論全ての人に)というのも身体を固くさせない元々持っている身体の柔らかさを引き出すというのがこの施術の特筆すべき点だと勝手に思っている。そういえば猫の身体はいつでも柔らかいなぁとか子供の身体は柔らかいから自由な発想なのかとか歳を追うとなぜ人間の身体はこんなに固くなるのでしょうね。

聞くところロルフィング10後にもそれぞれに特化したロルフィングシリーズがあると言う。半年は経過を見つつ自分と身体との対話をする期間だそうで、意識的にならざるを得ない、身体は素直で正直だから。

素晴らしい体験を実感する事と同じことが田畑さんの施術にはあった。そうそうにないことである。きっかけ与える田畑さんは遥かに純度の高い思考と技術だが、これに答えたのは自分の身体で誰がどうではなくあぁ皆さんに感謝なんだなと素直に思えた。

10シリーズの詳細なレポート全文については以下から読むことができます。

http://rolfinger.com/Experiences/2019/12/02/cgデザイナ/

ロルファー串崎氏による田畑へのインタビュー(ニコヒロWSを終えて)

昨年のニコラさんとのコラボレーションワークショップを終えて、3ヶ月経過し、田畑が思うところをロルファー串崎さんにインタビュー頂きました。またまた、串崎昌彦さん、馬本久美さんにご協力頂きました。

さらに、足の重要性、そして守破離の後に続く、傳の概念について考察が続きます。

バイディジタル O-リングテスト診断におけるロルフィングの意義

酸化ストレスの使用となるマーカー物質、8-OHdGが、できるだけ低いレベルに抑えられていると、病気から遠い状態、つまり健康の質が高いといえるそうです。バイディジタルOリングテストの大村先生と下津浦先生によると、がんや心臓病、そして心臓病などの生活習慣病への「なりにくさ」はこの8-OHdGを測定することで評価できるとのことです。

今年4月に東京大学で開催される、国際バイディジタルOリングテスト学会で発表するお誘いを下津浦先生から受けて今準備中です。

過去にお二人の研究で、これをFoot Gravitation Center(足の重心センター)と呼ぶ足の甲のあるポイントがあって、そこに特定の刺激を与えると、様々な治療効果があるとご報告されています。その際、8-OHdGも低下するらしいです。ここを刺激するのは、身体の歪みを取って、重力への適応性を上げることにつながると考察されています。

なんと、それってロルフィングが目指してることと一致してますよね。

じゃあ、そこで気になるのは、ロルフィング前後で、8-OHdGは下がるのか?

通常の方法ですと、実際に尿や血液や唾液をサンプルとして、8-OHdGを測定しなきゃいけないわけですが、そこでBDORTを使うと、写真からそれを読み取れます。BDORTに馴染みのない方々には、??と思われると思いますが、その診断にはレベルがあって、下津浦先生だと最高クラスの7段で、もの凄い精度で測定することが可能です。

たくさんロルフィングのケーススタディの写真も残っているので、いくつかお送りして判定して頂きました。

すると予想通り、ほとんどの例でロルフィングのセッションは、8-OHdGのレベルを下げていました。12例中、少なくともレベルが上がった例は一つもありませんでした。

長く通われた方で、 -80まで下がった方もいました。+25〜 -100までの範囲で評価されます。-100に近い方がそれだけ病気から遠い位置にあると言えます。

受け手としての感想や写真での結果でセッションの成功を評価できなかったわけですが、こうした切口から、評価が可能だということは大きな意味をもちます。また、本人に改善の自覚が感じられないとしても、実際は意味を持つことを示せるかもしれません。

セッション受けて、なにが変わったのかわからなかった、という感想があったとしても、病気になりにくい状態に向かっていたとしたら、それは大きなことだと思います。逆にすごく贅沢な時間を過ごせた、いい気分になったけど、その時その日止まりで、8-OHdGも元通りなんてことも、起こっているかもしれない。

なにせ意識や自分の感覚で追えることには限界がありますから。私としては、長く通って頂いているクライアントの方々に対して、セッションに依存させているんじゃないか?とか、他の方法に目を向かわせないように囲っているんじゃないか、不安になることがあるんですが、この結果をみて、しっかりと生活習慣病からも遠ざけるサポートになっているのであれは、もっと喜んで前向きに提供しようと思った次第です。