ワークの質を上げるために

いくつかの体験と仮定を元にイールドアプローチや間合いのワークを発展させ,実践してきました。

◎施術は相互の作用〜対人のみならず空間の中での関係性・共鳴から成り立つ。つまり,一方向の反応ではない。

・施術者は,出来るだけ力みのない状態が望ましい。

・施術者の力みが抜けた時に,それに受け手は呼応する。

◎触れている時より手を離してから反応が進むことがある。

・触れ過ぎ,間を詰めすぎが,受け手の反応を抑制する。

◎施術者がいいと思っていることを押しつけない。

・オプションとなる提案はできるが,絶対的に正しいことはない。

・受け手が望んでいない余計な反発的な反応が起こり,時に害となる。

・施術者は,受け手の身体が望む働きかけと同期する必要がある。

◎受け手の身体が,”安全”を感じている時に,入力を受け容れ可能。

・深く安全を感じている時に,自ずと統合への変化を開始する。

◎セッションで目指していない余計なことをしない

・施術者は,隠れて支配的な意念や霊的なことをやり取りしない。

・変化の結果よりその過程で気づくことに意味があるとすると,違和感が減ることが,すべてのケースでいいこととは限らないかもしれない。

◎受け手の存在とその状況は尊重されるべきである。

◎定着する,意味のある変化は,時間をかけゆっくり進む。

・ゆっくり進む,いい変化は,変わったことすら気づきにくい。なぜなら,定着して馴染んでいく変化はちょっとずつ進むから。

・逆にわかりやすい変化は,それが定着するのか観察が必要。

◎施術者はあらゆる変化にオープンである必要がある。

・働きかけによって,受け手がどう変化するかどうかはわからないという前提が必要。こう入力したらこうなるというのはこじつけであることが多い。むしろ,施術者側の知覚が狭いことで,様々な可能性が狭められるリスクがある。

・起きたことの説明や解釈は断定的であってはいけない。断定はできないが,施術者の感覚としてはこういうことかもしれないというスタンスでのコメントはできる。

 

以上のようなことを考えてきたので,一方的に受け手に強引に変化させるようなワークとは別の方向性を探ってきました。

このワークの種類に関わらず,施術の「強引さ」は一番避けたいことです。自分の流儀のみならず,私自身が他者からワークを受けるときに優先的に考えることです。逆にいえば,強く圧を加える技法を用いていても,こちらのシステムを思い込みではなく,しっかり読み取った上での施術であれば,身体はすんなりその入力を受けとるはずです。

上のことが保たれているとき,施術者側と受け手側相互に健全さが保たれるはずです。