ロルフィング – 変化の持続性 酸化ストレス動向 Part 1

何かワークを受けた時に「効果の持続性」については常に気になるところです。ロルフィングの売りの一つは、変化が持続的であること。だから、何かに依存する生活から解放されて、自由と自分の身体に自信と力を取り戻すことができるところにシフトさせたいわけです。

姿勢の変化を写真データから比較する従来の方法以外に何か、バイオマーカーのような別の指標があると、ロルフィングの捉え方や意味が変わってきます。

研究員時代に御世話になって以来、懇意にして頂いているバイ・ディジタルOリングテスト(以下BDORTと略)認定医の先生に、写真データから酸化ストレスを測定してもらう機会を得ました。酸化ストレスの指標には、8-OHdGという物質を用います。-100〜+25の間で判定され、この値が低ければ低いほど、がん、糖尿病、認知証などの生活習慣病から程遠い、つまり慢性疾患になり難い体質であるという見方ができるそうです。

BDORT認定医7段の先生に、酸化ストレスマーカーを写真判定してもらったところ、10シリーズのロルフィングによって、 +20から、−30に減少。さらに何もせずに4ヶ月経過した後、−40とむしろ改善傾向にあることがわかりました。このことは、身体構造と一致した結果となっています。

An oxidant stress marker, 8-OHdG was decreased after the 10 session of Rolfing, followed by keeping the level for 4 months.

別のケースで見てみましょう。

この方は、2009年に10シリーズRolfingを終えた方です。ロルフィング開始前に+10だった酸化ストレスマーカーのレベルが、シリーズ終了直後では、−20に減少し、6回のRolf Movementによって−60にまで減少しています。その後、6年後にオフィスに来ていただいた時には、− 30と比較的維持されており、1回の調整によって、− 50に酸化ストレスが抑えられる結果となっています。

これらの結果は、ロルフィング及びRolf Movementのセッションが、酸化ストレスを下げ、さらに、その効果に持続性があることが示唆されます。ロルフィングを受けることが、生活習慣病の予防につながる可能性が示されたことになります。

酸化ストレスが低ければ、万病の原因とされる慢性炎症も抑えられ、即ちサイトカインストームも起きにくくなることになります。このような結果は、ロルフィングが、ホメオスタシスを向上させるという一つの説明になるのかもしれません。

ちなみにこのバイ・ディジタルOリングテスト (BDORTと以下略)は、認定制度があって、スキルを日本の武道に倣って「段」で示されるそうです。人間の筋肉反射と電磁波の共鳴現象を使います。高段者の測定技術は極めて正確で、臓器の造影結果と、BDORTによるトレースはとてもよく一致することが知られ、癌の早期診断としても有効な方法として知られています。ノーベル賞選考に深く関わるカロリンスカ研究所は早くからのこのBDORTの有用性に着目し、創始者の大村博士らは、欧州統合医療学会に招聘され、たびたび基調講演を行っています。日本では、ソニーの創始者の一人、井深大氏がBDORT研究を支援していましたが、途中で岡山のバイオ企業(株)林原の旧社長の林原健氏が引き継いだという経緯があります。私は、その一時期に林原に在籍し、1995年にBDORTとの共同研究に関わらせて頂きました。