昨年に引きつづき、atelier flow 山中暁子さんに1 dayワークショップを企画して頂きました。
胎生学は、身体技法を実践する上で非常に役立つ情報が多く含まれています。ヒトの生命の成り立ちやどのような成長過程や形態を含むのかが、理解できるからです。ただし、
①著者の生命についての思想が色濃すぎる。
②体験型になると出生時の追体験や退行に向かうリスクがある。
③医学的知識満載で体感覚とかけ離れている。
等々の問題が潜んでいます。
情報先行でいざ実習に向かうと、本来そのとき身体が起こしたい変化とは別の変化に方向付けされたり、不必要な退行が起こるのは何とも避けたいところです。身体が開いて,無防備になった状態は、vulnerableで、 特に出生時の体験は、デリケートな問題を含むこともあるので、よほど安全が担保されていない限り扱うべきではありません。
今回は、山中さんの提案でこのようなテーマになりましたが、座学はほとんどなく、シンプルにイールドのコンディショニングを行い、安全な体外空間から包まれる、物理的接触と共に包まれる、体験をするという実験的試みでした。
体験の一部を紹介させて頂きます。
【午前のワークの感想】
◯イールドをしていて自分の内面を見ることが多かった、今回は皮膚とか外側の感覚を感じたことが衝撃だった。内側,外側と分けていたことがフラットになる感覚が育ちそう。うちと外ととらわれない経験ができた感じがします。
◯自分が選んで行ってる場所のパターンがわかって、自分の認識を捉え直す機会になった。
寝ている時は感覚の変化ぎよくわかりやすくておもしろかった。
しずんだようなかんかくがあって、静かにダイナミックな感じが面白かった。整った感があった。
◯受けての時は、膜の感覚をやってる時、皮膚の少し外側でおしくらまんじゅうをしている感じがして、魚が捌かれた感じで体が開かれて、そしたら上半身がスッキリした。
キネスフィアを惰力で感じられなかったのだけれど温度とかで感じられるようになった。境目って自分も治療される場所なのかなと思った。
【最後の体験のシェアのメモ】
◯やってもらっていた時、夢現な感じで気持ちいい。呼吸だけで気持ちいい。待ってるのが気にならない。満足してるから。
何かしなきゃと思わなくていい。
雑念が沸いても、受け入れられる感じ。
◯安心感が深まった。空気に親密さが増した。他者なんだけど自分の一部のようなフィーリング。普段なら抵抗するものも通り抜けてく感じ。空間全体に安心感がある。
◯包まれることがなかなかない。包まれる人を見るのもさなぎ感がある。内側で熱が充満している感じ。午前のワークと午後のワークが感鍵違っていて面白かった。
◯自分が思ういい感じというのをそもそも違うところに持っていたような気がします。静かな感じが感じられてよかったです。
◯包まれた時にすごく大きな呼吸をしていた。難産で生まれたことを思い出して、そうして生まれた自分が強くなってきている感じがした。難産で生まれたことが自分のパワーとなっている気がした。
◯包まれたら、内側から力が出てきて,外側に向かってくかんじぎでて、シーツを撮ってもらった時に、こっちが私の世界だと思った。開放感でした。
◯シーツを被ってもこっちもあっちもない不思議な体験でした。
◯切れ目のない呼吸を感じた。人がされているのを見ているのもよかった。落ち着いた。満足感。
◯ニュートラル、ただそこにいる感じが心地いい。
◯包まれたら自分がいなくなった。終わったら自分に戻った。安心安全の中にいる時ってそういうことなのかなぁと思った。深い経験をさせてもらった。
◯遮断されて外の感覚が希薄になるんだなぁと思った。
◯安心感があって治癒的な感じがした。
◯足首もどこも緩んでいて
何時間も立ってられそうでした。2枚シーツをかけてもらった時に深海に落ちた感じで深海魚だったかもと思った。
◯1日通してタップリ味わった感じ。前半は1自由度が高いかんじ。後半はシーツに包まれたら内側に入っていっていつもよりも深く長くあじわえるかんじがした。日常の体験がリリースされた感じがした。
◯空間を作るのが楽しい…自分がこんなふうに感じるのが楽しい。
写真提供:shin yamane