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微生物という分解者に任せる

微生物という分解者に任せる

納豆菌抽出液がウイルス感染力を低下させる研究が昨年発表されたが,それ以降それを積極的に推し進める研究がないと思って調べたところ,EM菌でも調べられてた。 商品名EM-1という有用細菌を含む液体を使って,コロナウイルスの感染力を測定している。EM-1 による新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の不活化効果について

考えてみれば,微生物の大きな役割は地球の分解と清掃,スカベンジャーだ。ありとあらゆる有機物,蛋白質から油,糖などを分解する酵素を何種類も分泌している。感染のためには,細胞に結合する必要があるが,それを担っているのはウイルスの外側を包む,エンベロープ蛋白質である。感染機能ともう一つの機能は,植物における細胞壁のように,中身を守るためである。エンベロープ蛋白質が分解されれば,殻が破れ,ウイルスの中にある核酸(DNAあるいはRNA)が出てくる。裸の核酸は,分解酵素に弱い。細菌は細菌のウイルスである,バクテリオファージに感染されないように,独自に制限系と呼ばれる制限酵素とよばれるDNA分解酵素を作って,防御するシステムを発達させてきた。細菌の免疫システムの一つである。
真核多細胞生物である人間も,同様にウイルスに感染しないように,指先や体液には核酸分解酵素が含まれている。 遺伝子の実験には手袋が欠かせないが,それは研究資材中の核酸の分解を防ぐ目的である。
 
 RNAは,DNAより遙かに分解されやすく扱いにくいが,メチル化などの修飾を受けることで安定化する。現在のmRNAワクチンのRNAは修飾され難分解性に加工されている。そのため,体内での分解に強く,容易には代謝されないことになる。

宿主側は,感染から免れるために,防波堤として,核酸分解酵素を出して防御してきたが,ウイルスはウイルスで,何とか核酸分解酵素の攻撃を避けるために,外側に壁をつくるべく,エンベロープ-外皮蛋白質をつくることで,内側を守り,しかも細胞表面を足場として接着しやすいように外皮蛋白をデザインして適応してきた。しかし,そんな外皮蛋白質も分解できるような蛋白分解酵素を産生して,防御している。蛋白質分解酵素には特異性があって,特定の配列のアミノ酸だけ分解する選択性が存在する。やみくもに非特異的で強力な分解能があると,分泌した側がその酵素でやられてしまう。

病原性のある菌は,宿主とうまく共存する関係性ではないが,人類がこれまで長い時間をかけて共存してきた,パン酵母やワイン酵母,日本酒の酵母,ヨーグルトの乳酸菌,納豆,味噌に使われる麹菌などが無害で有用なことはいうまでもない。
それらを複合的に摂取することで,多種多様かつ人体に無害な蛋白質分解酵素の働きによって,エンベロープ型のウイルスを失活させることができる。なにせ鎧を剥いでしまえば,中はへなちょこな分解しやすい核酸なのだ。

日本は発酵食品に囲まれ,かなり感染防止に有利だと考えられる。それが海外と比較して感染被害が低かった理由ではないかと推測される。ただ,アルコール消毒や抗菌グッズを多様すると,体表の常在菌などが減少してしまう。抗菌グッズは,病原菌のみならず,足場が確保できず,有用菌も生息しにくくなる。指先の核酸分解酵素も薬剤によって失活してしまう。 過剰な殺菌/消毒生活は,かえって感染に有利になってしまうパラドックスを生む。

薬剤によるウイルス不活性化は可能で有効だが,感染防止にとって有利であっても,検査対策(陰性が陽性にでてしまい行動制限が課せられるリスク)には十分ではない。アルコールや塩素系薬剤は,確かにエンベロープ蛋白質を部分的に傷をつけることはできるが,エンベロープ全体を解体する力はない。したがって,中身の核酸は保護されたまま残ってしまう。 すると中身が十分に分解されずに保存されてしまうことになる。完全な外皮を持たず感染能を失ったウイルスの抜け殻はもはや安全であるにも関わらず,pcr検査で陽性と判断される可能性があるのではないかと考えている。薬剤不活性化ウイルスサンプルと,発酵微生物と反応させ不活性化させたウイルスサンプルを作製し,それぞれ,pcrでどのような違いがでるのか,実験してみたい。

この予測が正しければ,集団的pcr検査(そもそも非特異的な反応が起きてしまう酵素反応)で陽性と出てしまう数は割り増しになっていると考えられる。そこで,提案であるが,pcr誤使用ポンコツ行政に対抗するには,完膚なきまでにウイルスを分解するために,やはり,微生物の力を最大活用しない手はない。手っ取り早く,害にならない菌で部屋を満たす,EM-1などがいいだろう。土壌改良で実績もあるから,人への害は考えなくていい。

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