身体は容れ物、器、containerとしてしっかりと構造が整っていることが変化の受け皿になります。
受け皿がしっかりしていなければ、様々な介入を受けてもそれを受け止めきれず、すぐ許容オーバーになったり、起こるべき変化が定着しません。したがって、あれこれ受ける前に、まずは10シリーズのロルフィングで土台を築くことが優先されるべきだと考えています。 ただ、10シリーズは時間もエネルギーも使うので、その前の準備として、応答性を上げる、Yielding Embodimentの3シリーズを受けるものいいと思います。
それらの準備を経て、10シリーズロルフィングを受けることで、身体システムの応答性向上や統合が促されます。
より Well-beingを追求したい場合には、8シリーズのYielding ® Orchestrationや Rolf Movement® Integrationを月に一回くらいのペースで受ける方もいます。
また、交通事故やトラウマ的な出来事が長く影響している場合には、Somatic Experiencing®によって、トラウマのエネルギーの解放が役立ちます。
集中的にセッションを受けた後に、最低半年程度は、外部からの介入を絶ち、自律的な調整に任せる期間も意味を持ちます。依存的に何かの治療を受けてきたループから外れてみることで、自前で何とかできる体験を得ることは、主体的な自由にとってとても重要です。
理想としては、身体が何も気にしなくていい状態が望ましいのですが、依存から外れて、探求を深めるという関係性で、いい距離感をとりながら、セッションを適度な間隔で受けることで、Well-beingの質を高めていくことは、人生という時間を大切に生きることでもあります。
10年程度経過した後、Advanced 6シリーズや、あるいは10シリーズを受けるのもいい選択だと思います。身体を快適にしておく意義は計り知れません。なぜなら、身体を通して、重力や空間と調和するということは、あらゆる関係性を改善し、あなたが生きたい方向にスムーズに進む生き方と密接な関係があるからです。
10シリーズロルフィングは最低でも終えるとして、その後どういう状態をゴールとするのか? 一つ私の考えるところは、わずかな刺激に反応し、それをきっかけとして自発的な組織化が進むために十分な適応力とシステムの応答性がある状態です。身体は有機体なので、ある固定された理想形があるわけではありません。何にも依存せず、かといって全く周囲との相互作用がない関係性ではなく、適度な距離感を持ちながら、微細なセッションで調整される状態、これを目指したいと考えています。具体的には、ある統合状態まで達した後で、1ないし2年ごとに一回の調整セッションでバランスを維持、あるいは、遠隔のセッションだけで、自己調整によってバランスされる応答性のある状態、これが一つの指標になるのではないかと思っています。
治療を受け続けなければ成り立たない状態 → セッションを受けたいから受けるという状態へ