ロルフィングで身体が統合されると、身体内の連携や外部環境との関係性が変化する。身体に快適さが生まれたり、軽い感覚が得られることが多い。ロルフィングを、ターニングポイントで開始するケースは少なくないが、生き方、自分を活かし、自らの生きる方向に向いている、あるいは向こうとしている人にとっては、その流れに乗るための強力な後押しになる。
一方、どこかで気づいているけれども、自由になろうとする方向性に蓋をしようとしたり、今の自分の在り方つまり、スタート地点をキチンと見ようとしないまま、身体だけ調子よく変わろうとしても、そこには統一感がなく、矛盾がある。スタートラインをよく見るのは、楽しい作業とは限らない。負の側面もあるが、いずれにしても、それを自分のものとして、認める必要がある。
ロルフィングで自由な身体を手に入れた後は、自分の中の矛盾に気づき、それを着実に減らして、自分の中にある感覚とふるまいができるだけ一致するような生き方を実際にしていくことが、全体の統合につながっていく。逆らうのではなく、その内にある流れに「ゆだねる」生き方にシフトする準備ができていれば、ロルフィングや統合的な身体への働きかけは役立つものになる。身体の統合は、自分の生き方全体と関わってくることである。