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ロルフィングセッションは、酸化ストレスを軽減させる可能性がある

10月23,24日は、ブラジルのBi-Digital O-Ring Test協会主催の国際シンポジウムがあって、15分間発表する機会を頂いた。以下が抄録。

ロルフィングによる酸化ストレスの持続的軽減の可能性 とCovid-19ワクチン接種者の症例

1. 田畑浩良 Certified Advanced RolferTM, International Rolf Movement faculty of Dr.Ida Rolf Institute.
2.下津浦康裕 M.D.,F.I.C.A.E., Cert. ORT-MD (7 Dan) (日本 BDORT 協会会長;下津浦内科医院院長) 

はじめに:
ロルフィング®・ストラクチュラル・インテグレーション(以下ロルフィングSI)は、軟部組織の操作と動作教育を用いて身体構造を統合するソマティックな教育プロセスである。このプロセスは、身体が重力に適応する能力を高めることで、身体的パフォーマンスを向上させることが知られている。ロルフィングは、症状の改善を目的とした治療法ではないが、身体のバランスが整うにつれ、何らかの症状が改善されることが報告されている。

我々は、酸化ストレスマーカーの一つ、8-OHdGのレベルが、ロルフィング セッションを受けた身体の前後で、どのように変化するのかを、高感度かつ非侵襲的に評価可能なバイ・ディジタルO -リングテストを用いて測定し、そのプロセスが酸化ストレスを軽減させる可能性について報告してきた(1)。酸化ストレスを軽減させるためには、抗酸化成分を含む食事やサプリメントの摂取によるによる考え方はよく知られているが、習慣的に日常的な利用を必要としない、長期的に酸化ストレスを軽減させる方法は、ほとんど知られていない。

ロルフィングは、身体に持続性のあるバランスをもたらす技法であるが、この持続性が酸化ストレス軽減効果においても当てはまるのかについて、数週間~数年の間隔を空けてからセッションを提供した例について、上記と同様8-OHdGのレベルを調べた。また、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン投与後のケースにおいて、ロルフィングセッションがどのように8-OHdGのレベルに影響を与えるのかについても調べたので併せて報告する。

方法:
ロルフィング10シリーズは、Ida P. Rolfの10回のプロトコールに従って進められた。その際、田畑とAgneessensが発展させたThe Art of Yield(1,2)を導入して、セッションを提供した。8-OHdGのレベルは、ロルフィング前後の写真から、下津浦ORT認定医 (7 Dan)が測定した。 +25 ~ ー100の間での測定値で、値が低い程、酸化ストレスが低く抑えられた状態にあると判断される。

結果:ロルフィングセッション終了後、数ヶ月から数年経過したいくつかのケースにおいて、インターバルを置いた後に8-OHdGのレベルはやや上昇するが、比較的低レベルに抑えられている傾向が示された。

また、Covid-19 mRNAワクチン投与後、酸化ストレスマーカーは上昇傾向にあり、その後にセッションを受けることによって、調べた5例とも低レベルに軽減していた。

結論: 

万病の元とされる酸化ストレスのマーカーである8-OHdGが低レベルで抑えられることは、生活習慣病に罹りにくい、つまり健康の質が高い状態であることを意味する。ロルフィングには、身体構造の統合のみならず、酸化ストレスのレベルを長期的に低く抑える可能性があることが示唆された。また、Covid-19 mRNAワクチン 投与或いは自然感染によって引き起こされる炎症に伴う酸化ストレスの軽減にもロルフィグセッションが役立つ可能性が示唆された。

ロルフィングは、Well-beingおよび、予防医学的にも意味のある身体技法であると考えられる。

参考文献: 

(1)   THE 36th ANNUAL INTERNATIONAL SYMPOSIUM ON ACUPUNCTURE, ELECTRO- THERAPEUTICS, & LATEST ADVANCEMENTS Jointly Held by & 16th Biennial International Symposium on the Bi-Digital O-Ring Test (29th Annual Meeting of Japan Bi-Digital O-Ring Test Medical Society) VII International Symposium on Bi-Digital O-Ring Test of the Brazilian Medical Association of BDORT (III Brazilian Symposium on Integrative Medicine of AMBBDORT) 

On Demand Video Program No.21 What is the Significance to Enhance Adaptability of Human Structure to Gravity through Rolfing Process in the Diagnosis of Bi-Digital O-Ring Test?               H. Tahata , Y. Shimotsuura M.D., F.I.C.A.E., Cert. ORT-MD (7 Dan) 

(2)Agneessens, C. and H. Tahata 2012 Jun. “Yielding: Engaging Touch, Presence, and the Physiology of Wholeness.” Structural Integration: The Journal of the Rolf Institute® 40(1):10–16. 

(3)Tahata, H. 2018 Mar. “Working with Ma: Further Refinement of the Yielding Approach through Time, Space, and Intersubjectivity.” Structural Integration: The Journal of the Rolf Institute® 46(1):44–51. 

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