従来型の生ワクチンや不活性型ワクチンと比較して、劇薬に分類されるmRNAワクチンについては、最新の技術であり、私が持ち合わせている生化学的知識には含まれていなかった。免疫においてもいくつか新しい知見が得られており、以下それらを挙げてみる。
- 核酸(DNAとRNA)は、指先などにも多く分解酵素が存在しているため、分解されやすい。特にRNAは不安定であるから、すぐ分解されてしまう。→ ワクチンに用いられるmRNAの中のウリジン残基は、メチル化という修飾を受けたシュードウリジンに置き換えられている。これは分解酵素に耐性で、安定しているため、細胞内で蛋白合成が効率的に進むことになる。 TVである医師が、RNAはすぐ分解されるようなコメントをしていたがこれは嘘である。ちなみに、その医師が中立に意見をいっているのか、それとも製薬会社に忖度しているのかは、マネーデータベースでチェックすることができる。
- 免疫記憶が起こるのは獲得免疫だけで、自然免疫には、免疫記憶がない。→ 理化学研究所(理研)石井分子遺伝学研究室の吉田圭介特別研究員、石井俊輔上席研究員らの共同研究チーム*は、自然免疫[1]に記憶[2]が存在し、病原体感染によるエピゲノム変化[3]の持続がその記憶メカニズムであることを明らかにしている。 ワクチン投与によって得られる抗体産生のみが、免疫獲得であるかのような報道がなされているが、実際には、自然免疫や細胞性免疫による免疫獲得も存在するため、抗体のみを指標にした評価は正しくない。
- S1スパイク蛋白質は、細胞側の結合部位(ACE2受容体)であるだけでなく、それ自体が血管内皮細胞に傷害を与える病原性蛋白質であることが、米国のソーク研究所の研究から明らかになっている。 → 細胞と結合するリガンドそれ自体が、傷害性の本体ということは、病原体の抗体を作らせるための抗原を細胞に作らせる予定が、毒そのものを細胞に作らせて体中にそれを長期間循環させることになる。 ホメオパシーが限界希釈された毒を服用するのと、真逆の方向性である。いずれにせよ、mRNAワクチン接種によって、脳血管系や心臓血管系などに血栓が生じるリスクがあるため、副作用としての、脳内出血や心筋梗塞が起きても不思議ではない。
- 免疫賦活のために投与した抗原によって、中和抗体ができる。 → 病原体と結合する望ましい中和抗体だけができるわけではなく、逆に感染を増強させてしまう抗体が産生されてしまうことがある。ADE 抗体依存性感染増強という現象があるらしく、大阪大学のグループが報告している。 この現象は、ワクチン先進国イスラエルで、ワクチン接種者が感染し続けているという事実とうまく呼応している。
- 変異しやすいインフルエンザなどのRNAウイルスによる感染症には、ワクチンはできない。→ これまで何十年もかけてインフルエンザワクチンを開発しては打ってきた歴史があるが、インフルエンザによる感染症がなくならないのは、歴史が物語っている。理化学研究所の増田チームは、変異しやすいスパイク蛋白の先端部分S1ではなく、変異しにくい幹にあたるS2に対する抗体の産生を誘導することを狙っている。この方法がうまくいけば、ワクチンによる重症化と変異ウイルスに対しても対応できることになる。
- 経鼻生ワクチンによる広域中和抗体の産生を利用
これは、非常に期待が持てる研究である。これと、同研究所の福山チームの技術が組み合わさると、筋肉注射も必要なくなるので、凍結肩のリスクも回避できる。巨メディアは、感染恐怖を煽り、外圧で特例承認された舶来もののワクチンを売りつける方向に煽動して、対応が遅いと政府批判を繰り返しているが、こうした国内初の安全かつ有用な技術が立ち上がってくるのをもう少し、待ってもいいのではないかと思う。海外と往来する必要が取り急ぎないのであれば、ワクチン先進国のイスラエルなどを参考にして、自分はどう判断するのか、ゆっくり考えてもいいと思う。