Nature Communicationsという学術誌に掲載された ”Post-lockdown SARS-CoV-2 nucleic acid screening in nearly ten million residents of Wuhan, China” という論文があります。高橋徳医師の動画で紹介されていた論文で公開されています。
https://www.nature.com/articles/s41467-020-19802-w
Abstract:要約を訳すと、
武漢では,2020年1月23日から4月8日までの間,厳しいCOVID-19規制措置が実施された.制限解除後の感染率の推定値は、ロックダウン後のパンデミック管理に役立つ可能性がある。ここでは、2020年5月14日から6月1日にかけて、武漢で行われた市全体でのSARS-CoV-2核酸スクリーニングプログラム(PCR検査)について述べる。
6歳以上の9899826人を対象にPCRテストをした結果、PCR陽性は300名であった。つまりこれは、0.00303% 陽性率で一万人当たり 0.303人が検出されたことになる。95%信頼区間は、0.270-0.339人。この無症状PCR陽性300人と濃厚接触した1174人からは、PCR陽性反応は全く出なかった。
過去にCovid-19に感染して回復した患者34424人のうち107人は、再びPCR陽性となった。つまり、再陽性率は、0.31 %で 95%信頼区間は0.423-0.574%である。
従って、武官におけるSARS -CoV-2感染の蔓延は、ロックダウン終了後5~8週間後には低くなっていた。
ここで重要なのは、約一千万人調査して、PCR陽性になったのは300人、その人々と濃厚接触した1174人を対象にPCR検査したが、陽性は一人もいなかった、というところです。大メディアや一部の感染学者が唱えてきた、「無症状感染者が、感染を拡大させる危険性」があるということで、自粛要請やマスク着用が必要ということになってきた訳ですが、その理由がなくなることになります。
二つ目に重要なのは、一度感染の患者になった34424人は、その後回復したにも関わらず、107人がPCR陽性になったとありますので、免疫を一度獲得しても、0.3%の人は再度感染するということで、普通の風邪と同じです。一度罹って回復しても一千万人いたら、そのうち3万人はまた感染してしまうことになります。ウイルスは変異するものという性質なので、当然といえば当然の結果ですが、一時的とはいえ、免疫獲得がワクチンであれ、自然免疫であれ同じことで、風邪引きやすい人は、ワクチンを打とうが打つまいが、何度でも風邪引くのと同じことになるので、ワクチンに過剰な期待は持てないことになります。
PCR陽性となっても無症状であれば、濃厚接触しても他人に伝染させることはなく、一度患者になっても回復すれば、99.7%の人はPCR陰性である、とこの論文は言っています。