当初かなり、前傾姿勢だったクライアントが10回シリーズを終えられた。ご本人曰く、セッションルームで、短い距離を歩いても息が上がってしまい、50メートルも歩けない状態だった。
第4セッションまでは、セッション直後での姿勢変化が保てずにいた。
上の写真のように、セッション直後から、徐々に前傾傾向が戻ったが、
第5セッションで腹部のコア空間を扱うことによって、一週間後も前傾傾向に戻ることはなかった。この頃から歩行が楽にできるようになり、食欲も上がったとのことだった。
その後も前傾に戻る傾向はなくなり、安定した変化の持続が観察された。
では、最初から腹部空間を広げるような働きかけをすればそれで十分なのかというとそうではない。5回目のセッションに至る、1から4回目までのセッションの積み重ねが、変化の土台になっていることを忘れてはいけない。骨盤が内臓を支えるには足が土台となり、そこから骨盤という内臓の容器が変化する準備ができる。容れ物がしっかりすれば、それが台座となって、内臓が収まるべきところに落ち着きやすくなる。
その準備なくして、内臓にいきなり働きかけても、持続するような意味のある変化にはつながらない。
変化の下地を作ること、それができていれば、身体は安心して変化を内側から起こすことができる。そして、実のある変化には、必要な回数と時間が必要です。
最終的に、息も上がらず200メートルまで歩行距離が伸びたとのことでした。