を英訳した野口晴哉先生の本を坂本龍一さんから頂いたことがある(プチ自慢)。野口整体の考え方だと、風邪をひくというプロセスには、からだのバランスを整えるという効能があるらしい。その考えは、オーソドックスな医学の常識からは逸脱している。
病原体としての感染には悪い意味しかないように捉える立ち位置から、まるで罹ることがバランスに寄与する「利点」があるとは、実に面白い考えである。
ということは、ああ、風邪をひいたといって落ち込んだり、失敗した感じになるのではなく、何かそこから回復することで、レベルアップが見込めるということになる。
現在の非常事態宣言による自粛要請下では、おちおち風邪もひけない。お店に入った客が体調を崩し、PCR検査して陽性と出れば、そのお店にとって致命的なダメージを食らう。来店前後で、満員電車や他の密集エリアで感染した可能性があったとしても、恐らくほれみたことかとやり玉に挙がられるようなリスクがつきまとう。(しかもRT-PCR法だと擬陽性も拾う確率が大きいらしいし)
風邪に対して、これまで過敏になっていることも珍しい。だが、すでに致死率が低いことや感染したほとんどの方も後遺症なく復帰していることを考え合わせれば、危険レベルはかなりひくいわけだから、重症化リスクが高い人は別として、もういい加減自粛やめたらいいのにと心底思う。
私はというと、遠方からの客足は遠のいてますが、お越し頂くクライアントを拒まず、普通にワークしています。完全予約制で公共交通機関も使わず、そもそも月に合う人数も限られているのに、これ以上減らしたら、仙人になっちまうからね。(すでに仙人扱いされてますが)腕も鈍らせたくないし。
自粛ストレスで心身のバランスを崩す人が増えているこんなときだからこそ、どんどんセッションでストレスを放電してほしいと願っている。
毎日3時間程一緒に過ごす92歳の親父は武漢カゼとは無縁のようだ。先日血液検査したら、ヘモグロビンが標準の3分の1に低下して、一人高山で暮らしているような親父だが、何ら彼の健康状態に異常はない。1月から3月までは毎週焼き肉食べたり外食してたけど、関係なかったみたい。むしろ、感染を恐れて肉食べない方が基礎体力低下につながっていたと思う。まあ個々に状況みないといけないけど、高齢だからといって、過剰隔離するのも如何なものかと思う。命が命がって神経質になるより、人と人とが会えることがもっと大切だったりするじゃないですか。
お年寄りだって自由や人権は保証されなきゃいけないから、個々の状況判断で動けるようにした方がいい。でなきゃ、いろいろ後悔します。特に高齢の方との時間は限られているので、一律に面会できなりような体制は悲しい結果を生む。
ええっと、元に戻しますが、風邪や感染を忌み嫌ったりするのではなく、むしろバランスを回復するいいタイミングがきたといって歓迎できるような価値観があると、少なくとも、感染者や医療受持者への偏見・差別はなくなるでしょうね。