ヨーロッパ留学後、日本で就職され、人事を担当されているクライアントの方が、身体状況の改善に伴って、セッションが思いのほか役立っているという。
会社で何かと頼られ寄りかかられることが多いが、そんな時にもそのことが負担にならず、あまり気にならなくなったという。さらに、相談に乗るときにも、こちらでのセッションのように最小限のちょっとの介入を心がけていたら、それで仕事がうまく円滑に回るようになっているという。
医師の方が少し前にセッションを終えたが、自分の診察に対する構えがとても変わった仰っていた。
患者に対して、どこまで介入して、どこまでで止めるかは、セオリー化、公式化できない。介入し過ぎれば、受け手の主体性や自力・底力を奪ってしまうことになるし、必要なことが足りなければ、自然治癒の流れに乗ってもらうお膳立てにならない。患者をつぶさに観察する力が求められる。この方は留学経験もあるため、真面目に医療に取り組もうとすればするほど、日本の旧態依然たる管理社会に馴染めず悩んでいらっしゃる様子だったが、身体の解放と共に、患者との間合いの取り方や、介入のタイミングについてとてもセッションの体験が参考になったと感動されていた。
トレーニング形式やワークショップでなくとも、個人セッションの体験を通して、実際の仕事にそれを応用、活用して頂けるのはとてもうれしい。
ロルフィングを体験して、それまでの生活や人間関係、仕事をリセットするケースもある。時にはそのような大変革も必要だが、それまでの自分や状況と向き合うことなく、準備もなく、投げ出すように止めてしまうのは、「統合」ではなく逃亡である。
実生活に活かしてこそのロルフィング体験であってほしい。