ロルフィングは、つないだり、通りをよくしたりと、要するに流れる滞りにくい身体の状態を目指している。重力も波だから、波が伝わりやすい状況を引き出す。
でもその時になんでもかんでも、どんな波長のものでも伝わればいいかというと勿論そんなことはない。身体に伝わる流れや動きは、いろんな波長のものがある。音波もそうだし、音として認識されないような低音もあるだろうし、ハイパーソニック効果を持つような高周波もあるだろう。で、音や振動は一過的かというと、一旦発生した音・振動は、減衰はするものの、それが消えるわけではないという事実。振動は形を変えながら、何かに伝導し続けてどこかで止まることはない。
とにかく、全く消失することはないということ。振動または波動は一つの情報だから、観察者効果が影響する。その音を聞こうと観察者が思った瞬間にその音が存在することになる。
身体をつないだり、滞りがなくなった後で、その中を通ってほしいのは、特定の健全な調子-Toneを持った振動・波動。傷などダメージを受けた組織が再生するには、いつまでも病変としてのToneでいるのではなく、そこから元の健全なToneを取り戻す必要がある。
プラクティショナーがもし、その健全な波動をその身体の内側で聴こうとすれば、そこにその波動が戻って姿を現すのかもしれない、という仮定で最近ワークをしている。
ロルフィングは、病気に働きかけるのではなく、健全さに働きかけると言われている。どの調子に合わせようとするのか、ロルファーはどの波長・波動を見つけようとしてワークしているのか、それによってセッションの質が変わってくるはずだ。だとすると、ロルファーの描く、健全さとか、統合とは?という漠然としてはいるけれども、固有のToneがあって、さらにクライアント側にも固有のToneがあって、それが共鳴したり、干渉したりすることで相互作用が生まれ、反応が引き出されるのではないだろうか。
特定の脈動や固定されたToneだと、動的で意味のある共鳴は起きないような気がする。だから、用語は様々だが、いろんなTideや波動を利用するヒーリングアーツが多種あるけれども、プラクティショナーとクライアントにそれぞれ固有のToneに根ざした波動が見いだせないと、意味のある反応は起きないのではないか?という直観がある。
ボディワークでいうところの、LIsteningってかなり深い意味を持っているように感じます。