歩行中よそ見運転の車に追突され、身体からちょっと出たことがある。今から42年前、中学3年の7月31日だった。
追突され宙にに舞ったらしいが、その時できすぎなくらいよくできた画面のスクリーンメモリーもちょっとだけ見た。走馬灯を生まれるまで眺めたら、多分戻って来られないのだろう。
身体と自分が完全に分離して、遠くで身体が口を通して実際に「痛いよ〜、痛いよ〜」と叫んでいたのだが、自分の意識は別のところからそれを聞いていた。
“自分の意識”が身体の中にふと戻ると、全く痛みは感じず、強打した大腿部は麻痺して動かなかった。右手に二カ所かすり傷があって、出血していたけど、その痛みは不思議なくらい感じなかった。
なんで身体は痛がっていたのに、離れていた”自分”は痛くないのか気味が悪かった。次の日出場予定の卓球の県大会に行けそうなくらい気持ちはケロッとしていたけど、左脚は全く動かなかった。身体の自分と意識の自分はどちらも自分だけど、それぞれ完全に別だった。
そこから、身体のバランスを意識するようになった。ロルファーになる最初の大きなきっかけになった出来事だった。