身体が統合される過程において、いろんな段階があります。
(痛みの側面から)
0.身体に感覚が行き届き難く、感覚が麻痺していて鈍い。
1.身体の場所に慢性的な痛みがある。
2.痛みの質が変わる。例:鈍く広い範囲の痛みから、範囲が狭くなって、痛みがはっきりする等
3.痛みが気にならなくなる時間が増える。
4.痛みがあったことを忘れて生活している。
5.触れて痛かった場所が、触れても問題なくなっている。
6. 身体の様々な場所が、ある程度の圧力を加えても違和感がない。
(バランスから)
1.身体がばらばらな感じがして、意識してもバランスがとれない。
2. どこかに意識を向ければ、バランスがいいところを見つけられる。
3.意識しなくても、気がつくと変な力みが減っている。
4.何かを意識しなくても、違和感を忘れて快適さを保っている。
(身体感覚、自己調整能へのアクセス)
1.痛みや違和感しか感じられず、それに占有されている。
2. 違和感もあるが、それを一つの感覚と捉え、他の感覚にも注意が向けられる。
3. フェルトセンスと呼ばれる、身体の微細な感覚を感じ取ることができる。
4.安全な状況の中で、フェルトセンスを通して、必要なプロセスをサポートを得ながら進めることができる。
身体状況にはいろんな段階がありますが、いえることは、どの段階からも先に進める可能性があるということです。私自身、過去の交通事故の影響もあり、ロルフィングを最初に受けたときには、何を感じているか? 全く答えることができなかったことを思い出します。フェルトセンスが感じられる様になったのも、様々なトレーニングやセッションを通して、いつの間にかできるようになりました。地道に身体と向かっていれば、感覚を感じるための基盤、土壌が耕されて、ある閾値を超えるとそれが可能になるのだと思います。
常に希望を持って、ある段階からは、そこまでで、”付き合っていく”という関係性になると思いますが、それより前に、辛抱強く、諦めず、失敗もしながら、変えられる可能性に「希望」を持っていれば、何かが変わっていくはずです。
以下の方の例は、最初の10シリーズ後かなり快適になったのですが、ご自身の武道の実践の質を高め、もっと探求したいというご意志で、半年経ってからAdvancedセッションを受けにお越しになりました。 写真が示すように、さらに変化する可能性が身体にはあって、望む人にはそれを起こすことができます。 人それぞれ同じようにはいかないし、ペースも違います。ただ、小さい変化を積み重ねていくことが、急がば回れという言葉があるように、気がつくと大きな変化、違いとなっている。
ちょっとづつ変わっていくとその都度それが馴染んでいくので、変わった実感はすぐ消えてしまいます。しかし、劇的なことより、着実にその変化を消化していくと、小さいわずかな違いにしか思えないかもしれませんが、派手さはないものの、それこそが望ましいいい変化なのだと思います。