こんどの3月8日(木)夜の代官山ライブハウス「晴れたら空に豆まいて」にて能楽師の安田登さんとイベントします。
このイベントを前に,安田さんご自身のブログの中で,ロルフィングと能におけるシテの役割,そして何もしないことの意味について解説されています。一時期ほんの短い時間でしたが,安田さんから能を習ったことがあります。当時,シテの役割について伺ったことはあるものの,今その役割がはっきりわかった気がします。そしてそれは,自分がロルファーとしての役割とすごく重なる部分があることも理解できました。
すでに現役バリバリの能楽師として活動されていた安田さんが,時間とエネルギーを捻出して日本初となるロルフィングトレーニングを推し進めつつ全課程を修了された意味が,今となってはわかる気がします。身体について深く学ぶことが安田さんにとって必要なんだろうなあとだけ思っていたところがありますが,実は,ロルファーの仕事は,能におけるシテの役割と,同じということ。
そして,シテを演じきることは,聴衆が知覚を拡大したり,ものの観方をシフトさせるきっかけになることができる。結果として,教育という分野にも関連してきます。安田さんの多岐に渡る才能や自由な活動は,矛盾なく,大きな一つの流れに沿っているんだろうなと思います。
また,能の舞台を通じて,修練されてこられた安田さんですが,何かの技法を修練していく過程で,技法を成熟し分化させて型から離れる時期が訪れたときに,本質は押さえたままで”離”の状態にどう移行するのか,この辺りも安田さんに伺いたいところです。