高田美和子さんが1月13日に亡くなられたそうです。
同じSomatic Experiencing(SE)トレーニングの東京1期生として,ご一緒させて頂きました。
美和子さんとの思い出は,東日本大震災の2ヶ月後に,一緒に宮城県七ヶ浜を訪れた時のことです。SE第一人者藤原千枝子さんの呼びかけで,Ale Duateを団長とする震災支援チームが結成されました。
震災の影響からフェリーで仙台入りすると,驚いたことに現地を牛耳るとんでもない教育マフィアのおっさんがいて,にわかには信じられないかもしれませんが,こちらの活動に対して露骨な妨害をしてきたのです。チームが機能しないように二分しようとしたり,現地の方々に提供しようと考えていたワークショップを自分のグループ向けに変更しようとしたり,会場に届くように手配した書籍はほったらかし,空きスペースを利用して会場の方々に提供し始めたSEセッションに横槍をいれてきたりと,やりたい放題 – 想像以上のワルでした。
妨害やら様々なストレスの中,チーム全体がダウンしかけたときに,そんな状況に左右されず,キラキラとしたエネルギーを維持したまま,一番活躍したのが,紛れもなく美和子さんだったのです。
美和子さんの辛抱強い電話交渉の末,行方のわからなかった書籍も回収できて間に合い,横槍が入る前にチームメンバーが現地の方々に提供し始めたSEセッションの受付も待ちがないように滞りなく段取りよく振り分けてくれたのも美和子さんでした。
普段研修中で自分が知ってたはずの美和子さんから想像もできないほどの活躍ぶりに,
“美和子さん,すごいですね,”
というと,
”毎日の暮らしの方がいろんなことを感じすぎて,大変だから,この状況は特別ではなく,むしろ大丈夫なんです,”
と。
”そうか!ってことは美和子さんは平時より,”有事に強い”ってことですね,”
というと,ニコニコ笑っていました。
チームメンバーがセッションを進める中,完全に裏方に回ってもらったので,そのことに対して申し訳ない気持ちを伝えると,またもやキラキラと,
“私が信頼する最高のプラクティショナー達からワークを受けてもらうお手伝いができるのは本当にうれしい。”
と心から仰っていました。
美和子さんはその空間の隅々まで細かく感じて受けとっていて,私達が想像できないくらい密度の濃い体験の毎日だったのかと思うと胸が痛みます。
生の笑顔をもう拝見できないのはとても寂しいですが,精一杯生きられた美和子さんのご冥福をせめてお祈りしたいと思います。
合掌