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セッションが手助けにならない時

セッションが,あまり効いてない感触があることがあります。その場合,セッションが機能していない原因がいくつか考えられます。

  1. 施術側のスキルが足りない    〜 ワークされるべきところが取り残されている場合。この場合は,扱うべきところが見落とされているので,施術側のスキルがネックになっています。
  2. 施術の種類が不適切   〜 1と重複する部分もありますが, 受け手が必要とする変化と施術者が提供する内容がかみ合っていない場合です。
  3. 受け手側の問題   〜 1と2はクリアされているにも関わらず,変化が頭打ちになっている場合。

1と2に関しては,施術者を変えたり,手法自体を見直すことで解決できます。ロルファーとして,スキルがネックになって変化が引き出せない場合は,トレーニングなどでそれを磨くことで克服できる部分も確かにあるのですが,一人で全部賄うことには無理がありますから,信頼できる別分野の施術者を紹介することも必要になってきます。

ただ,3に関してはあまり具体的な実感をこれまで感じてきませんでした。ところが先日この3に該当するのではないかという例に出会う機会がありました。

8年程前にRolfing10シリーズをこちらで終了された方で,その後しばらくぶりに調整のために数回おこしになっていました。確かに調整のセッション自体はうまくいっている感触はあるものの,次にいらした時には,同じようなパターンに戻っている感覚があって,それはご本人もうすうす感じていたところでした。次の予約を決める時に,

「田畑さんから見て,セッションが進んでいる感覚はありますか?」

と質問を受けました。そこで,上記の1と2がクリアになっているにも関わらず,何か進んでいないとすると,

「断定はできないものの,ご本人の生き方や方向性に修正が必要な場合があるかもしれない」

あくまで,施術者としての自分が本質的にワークすべきところを見落としていないという前提を強調した上で,そうお応えしました。

すると,何かが腑に落ちた様子で,Rolfing10シリーズを終了した後に,思い切って仕事を辞めたものの,現在また元の職場に戻っているとのこと。セッションを受けても,職場でのストレスをリセットするためだけで,状況が根本的には変わっていないことにお気づきになったのだと思います。その後,別の観点から自分を見直したいので,セッションを一時休止したいとのお申し出がありました。

ロルフィングのセッションは,囚われた状態から心身を自由にしていくためのプロセスなので,自分自身を望まないような状況に無理に押し込める生き方とは,方向性が異なることになります。このケースは,上記の3に該当する例といえるのではないかと思います。

だとすると,その方が何かを見直した後に,再びセッションにいらして,それによって何かが前に進む感触が得られた時に,この考察が正しかったのかどうか言えるかもしれません。

顧客の確保やビジネスという観点でいえば,クライアントはリピーターになってくれて固定客として確保できます。ストレスフルな毎日を送る人が,毎週駆け込み寺のように利用できる場所も必要でしょう。ただ,私はセッションをどう活用して欲しいかといえば,その場凌ぎをするためには使ってほしくない。 そこから一歩進むためのきっかけになるためならいいけれど,本人がうすうす何かに気がついているのに,ぬるま湯に居続けることを促すようなサポートはしたくない,と考えるわけです。

これまで,シリーズ終了後の調整セッションの料金は少し下げて設定していましたが,私自身がどのような方向性でワークしたいかということも考え,通常のセッションと料金を同じにすることにしました。このことも,先のクライアントの方が,セッションを続けるかどうかを見直すきっかけになったようです。

 

 

 

 

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