股関節のかなり強い違和感がある方で,1から3までのセッション直後は,かなり改善されるのですが,すぐまたその違和感が戻ってくるとのこと。
第4セッションの時に,骨盤底がなかなか変化しないので,下腹部の内臓空間の流動性を引き出すことに焦点を置きました。すると,その流動性がでてくるとともに,股関節の違和感がなくなって,最終的に歩いてみると,全く気にならない程度にシフトしていました。
この方は以前子宮筋腫の摘出術を受けたことがあり,恐らくその開腹手術の影響で組織間に癒着が起こり,それが望ましくない張力を引き起こし,股関節に影響を与えていた可能性があります。
関節や足・脚の支えや,肩甲帯の可動性を引き出すことで股関節の違和感が改善することはあります。実際1〜3のセッション直後にはそれが達成されたわけですが,それが持続しないとなると,別の観点が必要になります。ただ,内臓空間の広がりを引き出すには,1〜3回目のセッションで扱う内容が,そのための着実な準備になるので,そこを省略することはできないのです。また,そのせっかく得られたバランスが,長く続くように関係性を創っていくのがロルフィングのプロセスです。