ドイツで活動されている舞踏家 3/10

3回目

右側を下にして横になりスタートする。

何も触られていないうちから、太ももの裏側、右足の中指など、色々な箇所が反応する。一瞬の短い間、体の左側にエネルギーがゆっくり循環しているのがわかる。

前回は脚の裏側の感覚が少々鈍いように感じられたが、今回、脚の側面は敏感で、火傷の熱さを感じる寸前のように触られるとひりひりする。くすぐったさが痛みに移行する寸前の感じに近い。

触られているのがどこであっても、そことは別の部位が反応する。

首の付け根の後ろ、首の真後ろの頸椎の下部に手を当てられると、非常に気持ちが良い。もっとそうやって触られたい、とその箇所が訴える。美味しい液体をごくごく飲むような感覚だ。訴えの貪欲さが勝つために、観察する視点が薄れる。

頭部を触ってもらう。頭頂からぱっくり頭蓋骨が開き、程なく閉じる。頭頂部と眉間に力を込めて何かを把握しようとする癖があることに気づき、その時はそれをやめてみる。するとだんだん意識が遠のき、眠ってしまう。

左側の体側面を下にして横になると、どこで支えていいのか迷う。右側の時とは裏腹に、それが適切な位置なのかどうか確信できない。前夜睡眠時間が少なかったこともあり、途中から再び寝落ちしてしまう。古い文書は大事にしろ、と長老的な人物に言われる夢を延々と見ていた。

施術後、脚が重い。重力が下方に垂直に向かっており、脚が地面についた時にその重力がリリースされるのがわかる。

胸郭が開いている。特に鎖骨のすぐ下、脇から乳の上にかけてスペースができている。頰骨から鎖骨の間に垂直な空間が生まれ、頬骨の下、頬から上顎の間にも小さなスペースが空いたように感じる。

帰り道、呼吸が通っているのがわかる。特に、鼻の左側から喉奥に向かって空気がするする入ってくるので、何度も吸って本当かどうか確かめる。人がいない所ではマスクを取って息を吸い込んでみる。吸い込める空気量が一気に増えた。電車の中でもマスクを浮かせて観察する。

空気を吸い込んで病気に感染することを恐れて、街中では深い呼吸を避けていたことにも気づく。

電車に乗ると、座るのが楽になっている。骨盤の下で支えるポジションが自然になってきたのに加え、座った際に足の重みが感じられ、その重みを地面に預けていくことができる。そのことを感じるのはとても楽しく、延々とその感覚を座って確かめていたくなる。

正面・背面の写真を見て加齢を実感する。

若い頃から猫背で姿勢が悪い時代が長かったので、反動でそっくり返る癖があり、へそ裏の角度の感覚がまだ掴めていない。

これまで、乗り物での移動中、長時間であれば睡眠時間を確保するため眠っておくのだが、移動後も不自然な姿勢の状態をリセットしないまま、日常生活にそれを持ち越してきた。どんなに疲労をため込んできたことか、と我が事ながら呆れる。

昨年は移動が減った分、運動不足になっていた。同じ姿勢で作業した後もリセットが必要になるはずだ。自分でメンテナンスするにはどうすればいいのだろう?ストレッチ?筋トレ?

強い刺激を知覚することはたやすく、束の間の安心や「やった感」は得られる。

だが、極めてわずかな刺激で触れられるだけで、それどころか注目を向けられるだけでも、身体がそれに対して反応している。このことには大きなヒントがあるように思う。

施術中、田畑さんは一体何をどうしていらっしゃるのだろうか?

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