蝶形骨周りの空間の重要性

人によっては、一度に大きな変化を伴う介入をたくさん受けても全く問題い方もいるが、中には、可動性が急激に増すと、平衡感覚つまり前庭の処理が追いつかず、目まいがしたり、ふらついたり気分が悪くなって中々適応に時間がかかる場合もある。

先日のセッションで、そのようなケースを扱ったのだが、セッションが進むに連れ、感覚が外に広がるものの部屋の中に限定され、身体感覚は薄く、解離に似た状態になった。その方はもともと横向きで寝ることが苦手とのことだったが、側方に荷重がかかると側頭骨から蝶形骨にかけて物理刺激が加わり、蝶形骨付近の空間が狭まって、内耳付近にも影響が及びやすいのかも、と推測した。

蝶形骨とその周辺の空間は特に繊細に扱わなければならない領域で、クレニヲの講習にいってセルフワークしているうちに、蝶形骨が内側にグッと入ってしまい、それから鬱傾向になってしまったクライアントの話を聞いたことがある。また、未熟なクレニヲのセッションを受けてからずっと鬱になってしまった方からも話を聞いたことがある。そういうケースの場合は、病理的や心理的な原因に由来するわけではなく、単に身体構造的な問題なので、いくら薬や心理カウンセリングを受けても見当違いということになる。

その回復には、まず蝶形骨周辺の結合組織の張力バランスを整え、頭蓋骨間の空間を確保してあげる必要がある。硬膜などの深部膜組織の可動性も関係してくる。

セッションによって、多少不安定感が増したが、十分時間をとりながら、蝶形骨や側頭骨周辺の空間が広がるように知覚からも働きかけることで、セッションも統合へと収束した。解離傾向にある場合は、筋肉の収縮活動をしてもらいながら、正常なトーンと存在感が増すような働きかけもまた重要である。

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