身体の回復と統合のために

回復への働きかけには,主に2つの切り口がある。

1.要らないものを除く

身体は,よどみなく流れがあり,動的に移り変わっていく方向性があるとするとそれを妨げる余分なエネルギーや滞りを解放したり,除くという切り口。本来要らないものだとしても,それを抱えることで保っている平衡状態があるので,急激に無くしたりすることはバランスを崩すことになる。

2. 健全な状態に調律する

元々細胞や組織が持っている,生きものとして成り立たせている,健全な波動に共鳴させる。

1.に関して,有効な方向としては,西村氏の開発した器具を用いる方法がある。細胞の中に蓄積している,余剰の迷走電流を除くというもので,これは細胞をリフレッシュさせ,かなりの有効な方法である。難点は,その迷走電流の蓄積の度合いが強いと,それが出て行くときに激しい痛みを伴う。その痛みの質は,痛いところを圧されて痛いという感覚とは異なるものである。恐らく,いらないものを除くという点において,地球上で最も優れた器具であると思う。除去率に加え,施術者側もその余剰電流を同時に吸い出してくれるというメリットもあり,施術によって施術者が悪影響を受けてしまうリスクからも回避できる。

最近この器具に興味を持ち,ワークに取り入れ始めている。

2.に関して,通常のエネルギーワークでは,施術者と受け手とのエネルギーの交換になる。善くも悪くも交換という枠から外れることがない。さらには施術者の意図や在り方が大きく反映する。施術者がどれだけ,健全な波動に焦点が合っているかどうかが,施術の質を左右する。受け手がそのタイミングでどれだけそこに共鳴できるかにかかっている。単にエネルギーを交換するレベルに留まるとプロセスはあるところから進まず,ただのやり取りになるか,施術者の波動が低い場合には,それがセラピートラウマになるリスクが伴うのでエネルギー療法は甘く捉えない方がいいだろう。

以上の二本立てでかなりの回復が促されるが,復元するのではなく,さらに統合するという第3の切り口がある。つまり,滞りを生じ難い,環境からの悪影響を受けにくい,受けてもすぐ排泄することのできる身体構造に整えるという考え方である。

それには身体の肚の容器としての骨盤を身体構造の要として,整えておくこと。それと肚と他の部分が機能的に連携していれば,迷走電流も溜まりにくい流れが常にある状態となる。

何かバグが出たら,その都度バグを除くという考えではなく,そもそもバグがでないようなOS自体を一新してしまおうというのが,統合の考え方であり,ロルフィングはそこに位置していると考えている。

現代は,人類がかつて経験したことのない電磁波等のテクノストレスや,保存添加物や抗生物質などによる薬剤の影響を受けているため,その影響が強すぎる場合には,自覚的な変化が表に出るまでにどうしても時間がかかる。1や2はプロセスを加速させてくれるものとして,意味がある。