喧嘩両成敗?

日本語には,たくさんのいい言葉とコンセプトがある。基本的には弱い立場の側を応援する「判官贔屓」という言葉。弱気を助け強きを挫く,という考えにも共通している。

一方,ちょっと気になる喧嘩両成敗という言葉がある。紛争が起きたときに,片側だけが悪いということはなく,双方に責任があるということだが,これはあくまで,双方が同等の力を持っているということが前提になる。

であるから,立場が明らかに違うケースにはこれは適用されるべきではない。裁判をして闘っているからといって,その双方に同じだけの担うべき責任があるだろうか? 列強国が,植民地化しようとして,抵抗する弱者である国との戦争が果たして喧嘩両成敗を適用していいんだろうか?

そんなはずはない。

何か事件が起きたり,ハラスメントの訴訟が起きたときに,必ず被害車に非があったような意見がでるが,そもそも立場が異なったり,パワーバランスが明らかに異なる場合には,もめ事の原因を弱い側にも負わせるのは,悪しき「勝てば官軍」的な発想と同じタチが悪い倫理感だと思う。

強い立場ということをうまくベールに包みながら,それを利用する輩に注意しなかればならない。

一般に職業や学歴が,”ごりっぱ”な方々の中には,実にトンデモない輩が潜んでいます。油断は禁物なのだ。