Rolf Movement5シリーズ 実施例

他のロルファーの方から10シリーズロルフィングを終了され,その後Advancedシリーズを受けた方から,Rolf Movement Integrationの依頼がありました。骨盤周辺,股関節に違和感があるとのことで,その改善を希望。

Session 1

ミッドライン(中心線)に対して,イールドするcapacityを上げるために,横向きで,ワークしました。さらに臀部への注射の影響があると予想されたので,臀部とその周辺の空間との関係性,親和性を回復するためのタッチ。実際には触れずに周辺に手を置くことで反応が引き出されます。このワークによって,違和感はほとんど減少したとのことです。次のセッションまで10日間ありましたが,セッション2の直前に撮ったBefore 2と比較すると,セッション1で得られた頭部の支え方が維持されていることがわかります。

Session 2

前回は骨盤の外側に働きかけしたので,今回は骨盤内部,内臓の容れ物としての骨盤を骨盤底を含むTrue Pelvis(真骨盤)内に着目。ワーク後,上方にリフトされていることが分かります。骨盤底,閉鎖膜,恥骨結合,仙腸関節,これらはどれ一つとっても重要な構造で,適度な張力,微細な動きを引き出すことは,多くのメリットをもたらします。頭部に対しても側方に対して休めるようにワーク。

Session 3

うつ伏せで下肢から脊柱のつながりを引き出しました。臀部の組織のモティリティと呼ばれる微細な動きが出てくるのを待ちます。一連の働きかけによって,股関節周辺の違和感は皆無になったようです。

Session 4

仰向けでのワーク。大腿上部にもワクチン接種を受けている例も多く,この影響によって周辺組織に制限が生じ,骨盤と大腿部の連携が乏しくなることがあります。通常のベーシック10シリーズロルフィングではこうした観点で臀部や大腿部にワークすることは恐らくないと思いますが,ワクチン接種の影響は私達が思っているより大きいものがあります。仮に必要だとしても,受けた医療処置による影響を無くす程,ホメオスタシスは向上し,統合状態が高まる可能性があります。

このセッションの後,クライアントの方から,ワークに興味がでてきたので,120分枠を試してみるか,5回から8回にしようか迷っているとの感想。

Session 5

前回のセッションの後,アクシデントがあって,左足裏に安全ピンが刺さってしまって,しばらくびっこをひいていたとのこと。思ったより回復が早いとのことで,ただ,右半身にはかなり緊張を感じている。傷は修復しているが,右足が地に対して安全に着地できないという知覚レベルでの偏りが生じているため,足へのイールドタッチが有効となります。それぞれの足底に触れるか触れないかのタッチで空間との関係性に影響を与えると身体全体にも動きが伝播していきます。最後は,後頭部から小脳や延髄が休息できるように促すイールドタッチ。激痛や強いストレスがかかると,頭部の深部にも緊張が蓄積することがありますが,このタッチによって,肩と首がとてもスッキリしたというフィードバック。

全体としてかなりまとまったので,一応完結ということになりました。

クライアントにとって,最初の10シリーズはハードタッチだったので,Movementは興味深い体験となったようです。

Rolf Movementは,機能的側面から行うRolfingSIという言い方もできますが,いずれにしても,問題を解決したり,”治す”という観点からではなく,どこに変化しうる可能性があるのかを探して動きを引き出すプロセスです。

 

以下,セッション前後の写真を動画でまとめていますので,どうぞご覧下さい。

Rolf Movement 5 series